アーセナル vs トッテナム・ホットスパー マッチレポート

サッカー記事

プレミアリーグ第28節、アーセナルとトッテナム・ホットスパーのノースロンドンダービーは、2-1でアーセナルの勝利に終わった。

試合詳細

フォーメーション

アーセナルベンチ

ライアン、ベジェリン、セバージョス、ウィリアン↑77、オバメヤン、ホールディング、ペペ↑46、チェンバース、エルネニー↑88

スパーズベンチ

ハート、ウィンクス、ラメラ↑19(76退場)、ダイアー、シソコ↑57、デレ・アリ↑62、オーリエ、デイビス、ヴィニシウス

スコアラー

アーセナル

44:ウーデゴール(ティアニー)

64:ラカゼット(PK)

スパーズ

33:ラメラ(ルーカス)

メンバー選考

両チームのメンバー選考を見ていこう。

アーセナル

アーセナルは、ケガ人は特にいないものの、スタメンを予想されていたオバメヤンがベンチからのスタートになった。その理由についてアルテタ監督は口にしなかったが、どうやら早退したことが原因のようだ。

そのため、トップにはラカゼットが入った。左にはスミス=ロウが入った。ウィリアンではなく彼を選択した理由は、スパーズの右サイドバックの裏を積極的に狙っていこうという意図ではないか。スミス=ロウであれば、ボールを持てて組み立てに参加できるだけでなく、パスワークから相手の裏に抜けてボールを受ける動きにも期待できる。ウーゴーゴールとスミス=ロウの併用はそのパスワークからの得点を狙ったのだろう。

それ以外に関しては、大きな変化はなさそうだ。右サイドバックにはセドリックが入ったが、これはベジェリンだと守備時の強度にやや不安を覚えるからだろう。対峙するのがソン・フンミンになることを予想していたと思われ、彼の場合は特にカウンターや裏への飛び出しを警戒しなければならないからだ。

トッテナム・ホットスパー

スパーズは前節から変更はない。後ろでつなぐ相手に対してプレッシャーをかけて精度が乱れたところをカウンターで仕留めようという意図が感じ取れる。

とはいえ、順位が下であれどビッグ6のアーセナル相手に、ベイル、ドハティ、ルーカス、エンドンベレという右側の選手たちの攻撃に重きを置く面々は、どれだけ通用するのか気になるところだ。

試合内容

試合は前評判通りアーセナルがボールを保持して、スパーズがやや下がり気味にブロックを形成してカウンターを狙っていく試合展開になった。

特にアーセナル左サイドのスミス=ロウを中心にスパーズの右サイドバックであるドハティの裏を狙って攻撃を仕掛けていく狙いが見えた。16分にはそのスミス=ロウがスパーズのゴールへ放ったシュートがバーに当たるなど、中央をしっかり固めたスパーズゴールを脅かす。

その後カウンターを仕掛けようとしたスパーズだが、トラブルが起きた。前回対戦でゴールを決めていた左サイドのソン・フンミンが負傷離脱。ラメラが交代で投入されることになった。ソン・フンミンはベイルがベンチに下がった際に座っていたため、大きなケガではなさそうだ。

するとそのラメラが輝いた。33分にベイルのサイドチェンジからレギロンがダイレクトで中央へ折り返し。ルーカスが落としたボールに反応したラメラが技ありのラボーナでパーティの股を抜きゴールへ。ここまでシュート0だったスパーズが先制した。

ボールを保持していたアーセナルが先制される前回対戦と同様の展開になったが、37分に再びアーセナルはセドリックの強烈なシュートがバーに当たるなど、スパーズゴールに迫る。すると前半終了間際、ドハティを振り切ったティアニーがゴール前へパスを出しウーゴーゴールが合わせてゴール。アルデルヴァイレルトの股を抜けディフレクトしたボールが入った形だ。そしてそのまま前半を終えた。

そして後半。先に動いたのはアーセナル。この日存在感の薄かったサカに代えてペペを投入。スパーズも57分に右サイドからの猛攻を受けていた前半から修正がうまくいっていなかったためか、ベイルを下げてシソコを投入し、守備のテコ入れを図る。右にラメラ、中盤右側にシソコが入ることで、守備意識を高めようという算段だろう。62分には最後の交代枠でデレ・アリを投入。

しかしその62分に交代で入ったペペが前線で奪ったボールをラカゼットへパス。浮いたボールにボレーを蹴るも空振りになってしまったが、足を出したサンチェスに当たってこれがまさかのPK判定に。これを落ち着いて沈めてアーセナルは逆転に成功。

その後スパーズはラメラがスミス=ロウの顔をはたいてしまい76分にこの日2枚目のイエローカードで退場。しかしここからスパーズは勝負に出る。83分にはルーカスのFKに合わせたケインがゴール。かに見えたがこれはオフサイド。89分にはFKでケインがポストに当たるシュートを放ち、これをサンチェスが詰めるもガブリエウのクリア。

そしてそのままアーセナルが逃げ切り、2-1で勝利。今シーズンプレミアリーグのノースロンドンダービーは1勝1敗に終わった。

この試合のポイント

この試合のポイントは、両チームのCBの差、スパーズのウィークポイントを狙ったアーセナルの2つだ。早速見ていこう。

両チームのCBの差

この試合で私が気になったのが、両チームのCBだ。スパーズは左にアルデルヴァイレルトで右にサンチェスの右利き2人。アーセナルは左に左利きのガブリエウで右に右利きのD・ルイスだった。

私が気になったのは、縦パスやロングボールのタイミングだ。基本的にスパーズはCBからのロングボールはアルデルヴァイレルトが蹴る回数が多かった。それはおそらくサンチェスよりも精度が高く正確なフィードができるからというチームとしての狙いなのだろう。しかしながら、アルデルヴァイレルトが蹴る際にはやはり一度右足で持ち直す必要があった。敵を引き付けながらロングボールを蹴るということができないのだ。

一方でアーセナルは、D・ルイスから左サイドのスミス=ロウの前、ドハティの裏あたりに向けて蹴られることが多かった印象だ。右利きであれば右側に流れながら対角線上に蹴ることが可能である。またガブリエウに関しても、左利きという利点を生かして流れながらスミス=ロウの裏や縦パスを入れることが可能だ。

図で観るとこのような感じだ。

スパーズ
アーセナル

左側に右利きのアルデルヴァイレルトがいるスパーズの場合、右足に持ちなおす必要があり、そうなると中央より右サイドがパスの可能なレンジになる。もちろん持ち直した際の置く場所次第ではもう少し左サイドへのレンジ幅も増えるだろうが、その場合、右サイドへのパスが少々厳しい体勢になってしまい、精度が落ちる可能性がある。また、持ち直す際に寄せられる時間もあるため、少々厳しくなる。

一方で右側に右利きのルイスがいるアーセナルは、ボールを動かし方次第でパスのレンジは大きくなる。また持ちなおす時間も必要なく、リズムよく前線へボールを運ぶことが可能だ。ともすれば、この場合だとレギロンの裏やドハティの裏も狙うことが可能になる。また、仮にロングボールを蹴りにくいようなスパーズの場合だと、アーセナルの選手がアルデルヴァイレルトに対して持ち方を限定さえすれば、無難なショートパスを選択せざる得なくなる。

ゆえに、アーセナルは前線からプレッシングに行き、特にアルデルヴァイレルトに対して厳しくプレスをかけることで、パスコースを限定させた。一方のスパーズは逆にCBには強くいくことがなかったのは、プレッシングに行くよりも中盤でブロックを作ってロングボールを蹴らた方が、後ろからつながれるリスクを減らしたかったからだと私は思う。ロングボールであれば身長的にも分があるスパーズの方が跳ね返すことができると考えたのだろう。

とはいえど、やはりこのレンジの大きさの差はかなり大きかったと思う。広く守らざる得なくなったスパーズとコンパクトに守備ができたアーセナル。下記で述べるがドハティの裏を狙われたのは、DF同士の間隔が広くなってしまい、カバーが難しかったからだと思う。

このスパーズの左利きCB問題は、今に始まったことではない。今まではアルデルヴァイレルトが右側でダイアーが左側だった。この場合も少々課題があったものの、アルデルヴァイレルトが右にいることで前線へのフィードは選択肢の幅があった。ではサンチェスが左側をやればよいのではないかと思われるが、おそらく第5節のウエストハム戦のような経験からモウリーニョは慎重になっているのだろう。

攻撃の面を見れば、左にダイアーで右にアルデルヴァイレルトが効果的なのかもしれない。消去法なのかもしれないが、アルデルヴァイレルトが右側をやるためには、左側に適するのはダイアーしかいなかったのかもしれない。しかしそのダイアーは守備時の働きがひどくなってきたため代えざる得なかったのではないか。これまでダイアーが散々起用されてきた理由がなんとなくわかったような気がする一戦だった。

スパーズのウィークポイントを狙ったアーセナル

この試合で私はドハティではなくオーリエを起用すると予想していた。それはどちらかというと守備意識で試合に入ると思っていたからだ。しかしふたを開ければドハティだった。だがそれがスパーズにとって後々厄介なことになった。

対してアーセナルも、左はスミス=ロウではなく調子を上げつつあるウィリアンで来ると考えていた。しかしこちらはエースのオバメヤンがベンチというサプライズのほか、ウィリアンもベンチで左にはスミス=ロウが入った。

アーセナルがどのような意図をもってしたのか不明だが、私にはスパーズの左サイドからボールを回してゴールへ攻めるという意図がうかがえた。それはこの試合で同時起用を果たしたスミス=ロウとウーゴーゴールがいたからだ。

前回の試合でも述べたように、ドハティは守備が上手い選手ではない。どちらかというとウイングバックが本職ともいえる選手で、少々上がり目のポジション取りをするため、裏を取られてしまい数的不利の状況を作られやすいともいえる。アーセナルの攻撃はそこを狙ってスミスロウを走らせ、そこから起点を作っていくシンプルなものだった。

スミスロウだけでは厳しい局面も、ティアニーが要所でオーバーラップを仕掛け、ウーゴーゴールもフォローに入る。これだけで数的有利を作ることができた。対するスパーズは、モウリーニョが攻めに出たためサイドハーフにはベイルで中盤右側はエンドンベレ。守備力が高い選手たちではない。前回の対戦はベルフワインとシソコが入っており、守備への貢献度の高い選手たちがいた。

このやや前がかりになったスパーズの裏を的確に狙ったのが、今回のアーセナルがボールを保持して上手く戦えた要因ではないか。そのため後半途中からシソコを入れて中盤右側に配置し、ラメラを右サイドハーフに移して守備力の向上を狙ったのだろう。

結果的に強度が上がったものの、PK献上とラメラの退場でプランは失敗に終わった。もしPKを与えていなかったら、1-1のドロー決着の可能性が高かったのではないかと思う。

アーセナルとしてはこの試合、スパーズのウィークポイント上手く狙った一戦ともいえる。もちろんそれ以外にもパスワークなどで翻弄していたため、試合内容でもスパーズは負けていたと私は感じている。サポーターとしては書きたくないものだが。

次の試合

スパーズの次の対戦相手は、日本時間3月19日の早朝2時55分からヨーロッパリーグのアウェイでディナモ・ザグレブ戦。続く3月22日早朝4時30分からアウェイでアストン・ヴィラ戦。まだまだタイトな日程が続くスパーズ。ソン・フンミンのケガが大きくなければよいのだが。

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