エヴァートン vs トッテナム・ホットスパー マッチレポート 20-21プレミアリーグ第32節

サッカー記事

20-21シーズンプレミアリーグ第32節、エヴァートンとトッテナム・ホットスパーの一戦は、2-2の引き分けに終わった。

フォーメーション

エヴァートンベンチ

ヴィリーニャ、オルセン、↑84キング、ンコンコウ、↑61コールマン、ブロードヘッド、ジョン、プライス、ウェルチ

トッテナムベンチ

ハート、サンチェス、ウィンクス、ベイル、↑64ラメラ、ロチェルソ、↑90デレ・アリ、タンガンガ、↑64ルーカス

スコアラー

エヴァートン

31:シグルズソン(PK)

62:シグルズソン(コールマン)

トッテナム

27:ケイン(エンドンベレ)

68(ラメラ)

試合内容

この試合は、どちらのチームも序盤から積極的に前へ出てプレッシングをかけてボールを奪いカウンターを仕掛ける姿勢を見せていた。その中でも開始15分まではスパーズが比較的ボールを保持できていたように思えたが、その時間あたりからはエヴァートンのプレスが徐々に効果を見せ始め、なかなか前線にボールを供給できなくなった。

エヴァートンは、前線のプレスがはまるまでは耐える時間が続いた。狙いは明らかに奪ってショートカウンターだったが、自陣深くでボールを回した際には、後ろからしっかり繋ぐのではなく、ピックフォードからのロングフィードによってリシャリソンの裏抜けやセカンドボールを刈り取るイメージで動いていた。

そしてエヴァートンのプレスが効き始めると、スパーズは前半手も足もでなくなり、シーズンワーストともいえるようなひどい前半のプレー内容だった。そんななかでも22分にスパーズのアルデルヴァイレルトとロドンの間にできた一瞬の隙を見逃さなかったリシャリソンが抜け出し、シュートを放ったもののビッグセーブでなんとか失点を回避。個々の場面については下記のポイントで見ていきたい。

エヴァートンのペースに思えたが、スパーズが攻勢に出た。27分にケインのゴールで先制。このゴールはサイドでボールを受けたエンドンベレへのチェックがやや甘くなった一瞬の隙を狙ってクロスを入れ、キーンがクリアしきれなかったところを冷静に処理してボレーで決めた。

しかしスパーズのリードは一瞬にして終わった。31分にシグルズソンのクロスに合わせようとしたハメス・ロドリゲスがレギロンに倒されてPK献上。これをシグルズソンが冷静に流し込みすぐさま同点に。しかしながらこの判定は、触れていないのではないかといった指摘もあり、VARによるオン・フィールド・レビューも確認しなかったことなど納得がいかない判定に思われた(VARに関してはこれ以上追求しません。理由はVARおじさんが面倒だからです)。

その後、38分にエヴァートンに再びビッグチャンス。スパーズがスローインからの組み立てをミスすると、すぐさまエヴァートンがショートカウンターを仕掛けるも、これを見事に再びロリスがセーブ。そのままエヴァートンがペースを握ったまま前半が終了。

後半に入ると、スパーズはやや巻き返しを見せるも、正直な感想としてやや物足りない。そんな中で62分にゲームが動く。直前61分に交代で入ったばかりのベテランコールマンがスルーパスに抜け出し駆け上がった右サイドから中央へクロス。これにシグルズソンが見事なボレーで合わせてエヴァートンは逆転に成功。

スパーズはすぐさま選手交代で流れを引き戻そうと動く。レギロンとエンドンベレを代えてラメラとルーカスを投入。そのラメラが起用に応えた。右サイドで得意のドリブルで囲まれながらも局面を打開し中央で待つケインに向けてクロス。これをキーンがヘディングでクリアしようと試みるも、見方ディフェンダーの背中に当たってしまい跳ね返ったボールをケインが見事なボレーでゴール。

その後、スパーズは徐々に攻勢に出るも、上手く仕留めることができない。90分にはケインが負傷で離脱するなど、次の試合に向けても不安が漂う中試合終了。2-2のドローで結局、今シーズンはエヴァートンに1度も勝利することができなかった。

試合のポイント

試合のポイントを話す前に、私はこの試合のCBはそこまで悪くなかったと思う。リシャリソンの隙を突かれたシーンに関しては別の問題があったように感じた。その問題は今回のポイントの1つだ。

私の思う試合のポイントは3つ。大一番でのフォーメーション、誰がスペースを埋めるのか広大だった右サイドバックのスペース、パスコースを作れないビルドアップの難しさの3つだ。

大一番でのフォーメーション変更

この試合、両者は対照的だったことがある。それはフォーメーションについてだ。エヴァートンのアンチェロッティ監督は開幕当初は4-2-3-1のシステムだったが、カルヴァート=ルーウィンをはじめ多くの選手が負傷離脱したことなどを踏まえてここ数試合は3-5-2を用いてきた。そしてアランが復帰したにしてもこの試合では3-5-2を使った。

対してモウリーニョ監督は、前節まで4-2-3-1と4-4-2を試してきていた中で、この試合で2月1日以来ブライトン戦以来の3バックを採用。またその組み合わせもその際のメンバーではなく初めて組むメンバーによる3バックだった。

それがこの試合のすべてを物語っているわけではないが、この大一番に数試合で慣れていたシステムを使ったエヴァートンとそうでないスパーズでは、攻守において完成度が違ったのは明白だった。後半こそある程度建て直したかに見えたものの、前半は散々なものだった。

CB間の間を通されるスルーパスや、マークの受け渡しなど、一瞬のずれや隙を突かれる場面が多く、結局最後のところでロリスがセーブしてくれたから助かっているものの、連携面で大きな問題があった。引き分けになったからこそまだ助かっているものの、敗戦していた場合モウリーニョ監督の手腕が今以上に疑問視されていただろう。

誰がスペースを埋めるのか

次の問題は、空いたスペースを誰がどう埋めてマークの受け渡しをスムーズにするのか。この点がこの試合における守備時に最も気になった点だ。

まず22分のロリスがリシャリソンのシュートをセーブしたシーン。このシーンで右サイドを走っていたシグルズソンを、アルデルヴァイレルトがマークしようと一瞬右サイドに流れた場面で出されたパスだった。それによりロドンとの間にスペースができてパスを通された。

また、30分の失点のシーンも、シグルズソンがフリーでスパーズ右サイドでボールを受けると、広大な縦のスペースへ侵入。そしてフリーでクロスを入れられて結局PKに。

2失点目の62分のシーンも、レギロンがいないスペースにコールマンが侵入したが、その前のシーンでホイヴィアかダイアーのどちらが寄せるのか、マークに付くのか一瞬躊躇している場面がみられた。そしてコールマンにクロスを入れられて失点。

3バックゆえの難しさというのは、このサイドにできやすいスペースをいかに埋めるのかだと思う。この右サイドの場合、オーリエがすぐに戻るもしくはそのスペースを右のボランチがカバーに入るもしくは右CBがカバーに入り全体がやや右へずれるというのがセオリーだ。特にひどく感じたのは右サイドで、オーリエは戻らず、シソコはカバーに入らずという構図ができていた。もう1つのポイントで話すが、カバーできずビルドアップも不得意なシソコはこのシステムで起用されるのは選手も不遇だと思う。

話は逸れたがこれこそが、最初のポイントである急増のシステムが故の対応の難しさだろう。その点においてはエヴァートンは、失点こそCBのキーンのミスがあったものの、サイドでのマークが比較的うまくいっていたように思う。いずれにしても、ケインのゴールのおかげで攻守における問題がやや薄まっているが・・・

パスコースのないビルドアップ

最後は攻撃面における問題だ。それは後ろでボールを持った際にパスコースを作る動きがほとんどなく、ビルドアップはエンドンベレの個人技に任せてしまう点が多いことだ。そしてそのパスコースを作るためにケインが降りてきてしまう問題だ。

この3-5-2の場合、ケインがいなくなるだけで前線はソン・フンミンの1人だけになってしまう。3バックそして2トップを採用するのであれば、ビルドアップのうまい選手が中盤に2人は欠かせないはずだ。

しかしこの試合はどうだったか。中盤はシソコとホイヴィア。ホイヴィアは3バックの際のビルドアップがあまりうまくなかったような印象を受け、シソコに関してはボールを渡そうとする選手も少なく、そのシソコもボールを受ける動きをあまりしていなかった。ともすれば、ビルドアップはエンドンベレの個人技に頼ってしまうのは否めない。

しかしそのエンドンベレもドリブルでの突破が厳しいシーンがあり、やや否定的な意見も見受けられた。これに関しては私は仕方がないと思う。エンドンベレの突破を変えたいのであれば、パスコースを確保できる選手を配置する必要がある。しかしそのためには、シソコのタスクがどうなっているのか、もし攻撃面におけるビルドアップで何らかの制限があるのなら、そこはどうにかするべきであり、そうでなく単純にビルドアップが苦手なのであればメンバーを入れ替える必要がある。

このビルドアップがうまくいかないからこそ、前へ運びのが難しく、後ろでのボールロストが多く失点に直結しているのだ。ともすれば、この試合dえシソコを起用したいのであればは3-4-1-2ではなく4-2-3-1で右にロチェルソというボールを捌ける選手が必要だった。いずれにしても最初のポイントのようにシステム変更がこの試合の明暗を分けたといってもいいのではなかろうか。

次の試合

次のトッテナム・ホットスパーの試合は、日本時間4月22日の2時からホームでサウサンプトンとの一戦。前回は2節で対戦しており、この試合は前半イングスに先制されたもののアディショナルタイムに追いつき、その後後半に一気に4点追加してトータル2-5でスパーズが勝利した。

サウサンプトン vs トッテナム・ホットスパー レポート
サウサンプトン vs トッテナム・ホットスパーのマッチレポートです。スパーズの課題は?今後の戦術は?エンドンベレのコンディションはどうだった?選手起用は?

次の試合で勝利が厳しいとなると、より一層上位への進出は現実味がなくなる。どのようなメンバーになり試合になるのか注目したい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました