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川辺駿選手がウルブズへ移籍。なぜこのタイミングでの移籍だったのかを考える

サッカー記事

日本時間2022年1月5日19時、イングランドプレミアリーグに所属するウォルバー・ハンプトンというクラブチームが#WelcomeKawabeというハッシュタグとともにツイートした内容は、多くの日本人が驚いただろう。

この川辺駿選手(以下敬称略)は、スイスリーグのグラスホッパーというクラブに所属しており、この冬のスイスリーグ再開までの期間はウルブズでトレーニングを行っているという情報はすでにあった。

しかしながら、まさか契約をすることになるとは思っていなかったというのが私の本音だ。

契約期間は3年半で、この21-22シーズンは現在の所属クラブであるグラスホッパーへのレンタルという形でチームに残り、次の夏以降から本格的にウルブズの選手として戦うことになる。

なぜこのタイミングでの獲得だったのか。まず今回はその点をこの記事でまとめていこう。

そして彼の移籍から考えられるプレミアリーグクラブの今後の移籍市場の動向。そして日本人選手たちが5大リーグを目指すにあたっての理想的なチーム選びなど、これらを今後分けて後日考察していこう。

川辺駿の移籍はなぜこのタイミングなのか

なぜこのタイミングでウルブズが川辺駿の獲得に急いだのか。

まず1つ大前提として言えることは、川辺の活躍がウルブズのスカウト陣営の目に留まったということだ。どんなにプレミアリーグに所属することができる条件が揃っている選手であっても、活躍を見せることのできない選手は昨今のプレミアリーグでは必要ない。そのため、まずこれを大前提としてここからの文を見ていってほしい。

本題に戻して、プレミアリーグ所属クラブに移籍するためには、いくつかの条件をパスする必要がある。そして自動的に労働ビザの推薦状を手に入れることもできるが、その条件に満たない場合はポイント制ということで、ポイントを取得することで手に入れることができる。

今回の場合は21歳以上の選手の移籍になるため、それらの条件をまとめていこう。

  1. 代表戦による出場時間数
  2. 国内リーグにおける出場時間
  3. 移籍前所属クラブにおける国際大会(CL、EL、ACLなど)の出場時間
  4. 直近の移籍前所属クラブにおける国内リーグ最終順位
  5. 直近の移籍前所属クラブにおける国際大会の成績
  6. 移籍前所属クラブにおける国内リーグのレベル

今回の川辺の移籍に関連しそうな内容は、1番、2番、4番、6番だ。順を追ってみていこう。

代表戦による出場時間数

まず1番に関しては代表戦における活躍を意味する。そしてその条件としては、FIFAランキングが関わってくる。1位から10位、11位から20位、21位から30位、31位から50位、50位以上によって条件が大きく変わってくるため、代表の成績が選手の移籍に大きく反映される。

現在の日本代表の順位は26位。この場合、21位から30位の条件に当てはまることになる。

その条件は直近2年間におけるフル代表出場時間数によるもので・・・

  • 出場時間数が60%以上・・・無条件でビザ推薦状を取得可能
  • 50-59%・・・10ポイント
  • 40-49%・・・9ポイント
  • 30-39%・・・8ポイント
  • 20-29%・・・7ポイント
  • 19%以下・・・0ポイント

日本代表は私が集計した限りでは、ここ2年間で17試合を消化している(A代表)。その間の川辺の出場をパーセントで計算したところ、約15%だった。つまり今のままでは0ポイントだ。

しかしながらここからワールドカップ最終予選も大詰め、そして親善試合もあるため、より出場時間が増えることは間違いないのではないか。あと5%であれば、十分に上がることは可能だ。

国内リーグにおける出場時間

次に2番の国内リーグにおける出場時間だ。川辺は2021年の夏にスイスのグラスホッパーへ移籍。このグラスホッパーというクラブはどうやら昇格してきたばかりのようだ。

国内リーグにおける出場時間で重要になるのは、そのリーグがどのレベルのリーグなのかといったところだ。

6つのグループに分けられており、1グループはイングランドやスペインといった5大リーグ。

スイスリーグのレベルはグループ4に分け与えられている。ちなみに日本は最下位グループ6だ。

このグループによって、出場時間における取得できるポイントが若干変わっている。

  • 90-100%・・・6ポイント
  • 80-89%・・・5ポイント
  • 70-79%・・・4ポイント
  • 60-69%・・・3ポイント
  • 50-59%・・・2ポイント
  • 40-49%・・・1ポイント
  • 39%以下・・・0ポイント

現状の川辺は、リーグ戦18試合(1620分)を終えて16試合(1154分)出場している。計算すると約71%の出場時間となる。その場合のポイントは4ポイントだ。直近でも比較的フル出場している試合が多いため、このままのポイントを継続していけるだろう。

直近の移籍前所属クラブにおける国内リーグ最終順位

先ほどあげたグループでは、スイスリーグはグループ4に属している。グループ4の場合は優勝以外にポイントを取得することはできないのだが、このスイスリーグには17ポイント差でチューリッヒが首位にいるため、この部門におけるポイント獲得は厳しそうだ。

移籍前所属クラブにおける国内リーグのレベル

6番目のリーグレベルにおけるポイントは、以下のようになる。

  • グループ1・・・10ポイント
  • グループ2・・・9ポイント
  • グループ3・・・8ポイント
  • グループ4・・・7ポイント
  • グループ5・・・6ポイント
  • グループ6・・・5ポイント

スイスリーグの場合はグループ4のため、7ポイントを付与されることになる。

これらから考えられる移籍のタイミングを考察

ここまでをまとめていく。川辺が今現在取得しているポイントは、7ポイントと4ポイントで合計11ポイントだ。プレミアリーグに移籍するには、推薦状が15ポイント以上必要になるが、現状ではそこに届いていない。

代表戦で得ることができる最低限のポイントは7ポイントのため、そこを今後を踏まえて考慮すれば15ポイントに到達する。

とはいえ、10ポイント以上に関しては例外的に審査を得て推薦状を申請でき、そこからのビザ取得ができる可能性がある。

ではウルブズがなぜこのタイミングでの獲得を目指したのか。スカウトの話では、将来的にビザを得ることができなくなる可能性があるとのことだった。

ビザの兼ね合い

1つはそのビザの兼ね合いからだろう。国内リーグの出場時間が挙げられる。現状は71%の出場時間を確保しており、4ポイントを得ているが、将来的にケガなどの影響は確実にある。

するとスイスリーグの場合、これ以上の出場時間数減少はポイントの減少に繋がり、10ポイント以上で例外的に申請できる委員会に対してですら申請できなくなり、より推薦状を取得できる可能性が低くなってしまうからだ。

そのため、現状でできるのであればビザを申請できるようにしておこうという算段ではないだろうか。

バーゲン価格

2つ目はバーゲン価格だったから。移籍金は約50万ポンドと日本円にして7800万円というプレミアリーグでは破格の金額だ。まだまだ日本人ないしアジア人の市場価値が低い中、そしてウルブズ自体も資金繰りに大変だという噂もあり、チームにフィットしそうなバーゲン価格の能力の高い選手に目を付けたのではないか。

ウルブズ自体、前任の監督であるヌーノ・エスピリト・サント氏が少数精鋭を好んでいたため、選手層が厚いわけではない。モウチーニョが35歳、そしてネベスとデンドンケルがいるものの、デンドンケルは守備的な選手でパスの精度が高い選手ではない。このモウチーニョの後釜探しをウルブズも模索しているところだ。そのため、川辺はここのモウチーニョの後釜を担うという意味でも獲得された可能性があり、評価は非常に高いのではないだろうか。もしかするとビザ次第では、このCOVID-19における選手の離脱が相次いでいる現状を考えると、シーズン途中からレンタルバックでウルブズで戦う可能性が無いわけではなさそうだ。

マーケティング

3つ目は、あまり声を大にして言いたくはないが、昨今のアジアに向けたマーケティングの開拓だ。ウルブズは夏にザルツブルクから韓国人のファンヒチャンを獲得。彼の獲得はチームにとって大きな得点源になりえたが、それだけでなくアジアでのマーケティングも意識したのではないかともいわれている。もちろんこれに関して彼は結果を残して周囲の声を黙らせているが。

ウルブズも中国史本が多少なりとも入っており、その開拓には力を入れるだろう。また、アーセナルに冨安が加入したこともその一因ではないだろうか。日本人がここにきて素晴らしい活躍を見せているという情報は、やはりどのクラブも注視しているはずだ。それを意識し、マーケティングにおいて便乗したともとらえられる。

まとめと次回に向けて

今回は川辺駿選手の移籍のタイミングについて見てきた。タイミング的には今であればビザの推薦状を申請するための条件がある程度あったといえ、このタイミングをケガの影響などで逃してしまうことになると、より獲得が厳しくなることが分かった。

また、ウルブズもそうだが、プレミアリーグのクラブも昨今のコロナ禍によって収入の減少の影響はじわじわ来ているようだ。昨シーズンの無観客試合が長引いた影響は非常に大きかったのだろう。

次回はそのプレミアリーグに所属するクラブが、これからどのような動向を見せるのかを考えていきたい。今回の川辺駿選手の事例が、今後は決して珍しい時代ではなくなる可能性があると私は考えている。

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