ニューカッスル・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー マッチレポート 20-21プレミアリーグ第30節

サッカー記事

プレミアリーグ第30節、ニューカッスル・ユナイテッドとトッテナム・ホットスパーの一戦は、2-2で引き分けに終わった。

試合詳細

フォーメーション

ニューカッスルベンチ

ダーロウ、クラーク、J・ルイス、マンキージョ↑83、M・ロングスタッフ、ヘンドリック、ウィロック↑74、アンデルソン、サン=マキシマン↑71

トッテナムベンチ

ハート、ダイアー、ウィンクス、シソコ、デレ・アリ、ソン・フンミン↑46、ベイル↑88、ラメラ↑64、スカーレット

スコアラー

ニューカッスル

28:ジョエリントン(S・ロングスタッフ)

35:ウィロック

トッテナム

30:ケイン

34:ケイン(エンドンベレ)

メンバー選考について

まずは両チームのメンバー選考について見ていこう。

ニューカッスル・ユナイテッド

ニューカッスルは、前節までのフォーメーションから変更して4-3-3から5-4-1に。狙いは予想ではスカッド入りしてくると思われたソン・フンミンがいることで、サイドからの攻撃に注意したいから。仮にサイドをえぐられてクロスを入れられたとしても、中央に人数をかけられるようにしたかったからではないかと思われる。

また、攻撃の際には両サイドのディフェンダーも上がることで、サイドで数的有利を作りやすくして、サイドからの守備が苦手なスパーズに圧力をかける狙いがあったようにうかがえた。そしてスパーズのボールウォッチャーになりがちなDFを翻弄するために、ジョエリントンをサイドからインに走らせることで、マークのずれを突くように仕向けてきたと思われる。

トッテナム・ホットスパー

スパーズは前節と全く同じメンバーで挑んできた。ソン・フンミンに関してはおそらくケガ明けのためベンチからスタートになったのだろう。

形上はケインとヴィニシウスの2トップだが、ケインがトップ下でルーカスとヴィニシウスの2トップになる形もあるなど、状況に応じて選手が入れ替わっていた。また中盤はホイヴィアとエンドンベレとロチェルソが上手く入れ替わっていた。

狙いはケインへのマークを分散させてなるべくゴール前で受けやすくしていこうという意図は見えた。ディフェンス陣営に関しては、レギロンが前目でタンガンガが追い越すようなオーバーラップを見せない左肩上がりのシステムに見えた。とはいえこの場合は、タンガンガの前には個人で強力な選手が必要だと感じた。

試合内容

試合は立ち上がりからオープンな展開となり、両チームロングボールを使って相手陣内へ攻め入るシーンが見られた。基本的にはニューカッスルはスパーズのDF陣までプレスをかけに行かず、引いてブロックを形成しつつ中盤に入ったら圧力をかけていた。対してスパーズは、CBには寄せるもののそこまで強度の高いものではなく、サイドバックやボランチにボールが入った際などに徐々に圧力をかけてボールを奪っていこうという意図が感じられた。

この試合で早速20分まででサンチェスのクリアミスなどが続きスパーズは嫌なムードに。すると19分にスパーズのピンチ。シェルビーがダイレクトでペナルティエリア手前から中央へロブパスを送り、そこに走り込んだゲイルが合わせたが、これをロリスがワンハンドセーブしセカンドボールも背中で死守してセーブ。CBが釣りだされたときにどうするのかという課題が再び浮き彫りに。

すると28分にはスパーズが自滅。タンガンガのパスが相手選手に当たって跳ね返ったが、これをサンチェスがカバーしてクリアしたかに見えたが、低弾道になってしまった。これをニューカッスルが奪ってロングスタッフに渡り、シュートかと思いきやフェイントで右サイドへ。走り込んだジョエリントンが冷静にGKを見て流し込みニューカッスルが先制。高い位置取りをしていたため、レギロンをはじめ中盤の選手たちは戻り切ることができなかった。

しかしその直後にスパーズがあっという間に追いつく。30分にエンドンベレからロチェルソへボールが渡り、左アウトでケインへエリア内へスルーパス。GKが一度は体に当てたものの、DFと交錯してケインの前へボールが渡ってしまい、これを押し込み同点とした。

さらに34分には、ロドンからエンドンベレへ縦パスが入り、そのまま前を向き右を走るケインへスルーパス。これを角度が限られている中で逆サイドネットへシュートを放ちゴール。一気に逆転に成功した。

そして後半には頭からヴィニシウスに代えてソン・フンミンを投入。その意図は基本的にヴィニシウス、ケイン、ルーカスが前目に残っていたが、ソン・フンミンが入ることで前に残る選手はケインとルーカスの2枚のみにした。そしてソンにはサイドでの守備を行いつつあわよくば追加点というプランだったのではないだろうか。しかし得策とは言えなかった。

その後もスパーズは自分たちの時間が作れなくなってきたところで、ラメラを投入して守備の強度と、ボールの保持率アップを図った。対してニューカッスルもサン=マキシマンを投入して前線を活性化させ、DFの枚数を減らして攻撃時の厚みを増すなど得点を奪いに来た。

そしてスパーズの今シーズン悪魔の時間帯ともいえる80分に入った。すると85分にニューカッスルが同点に追いつく。交代で入ったサン=マキシマンがセンターサークル付近で見事な身のこなしでボールキープ。その間に上がってきた左サイドのリッチーへパス。ここへの寄せが甘くなったスパーズはそのままクロスを入れられ、ジョエリントンがこれに合わせ折り返し。これにアルミロンがヘディングシュートを放つもスパーズDFがなんとかブロックしたが、あきらめずに走り込んできたウィロックがこぼれ球を押し込んだ。

その後はスパーズにFKの場面があったものの、ベイルが決めることはなく、結局試合は2-2に終わった。

試合のポイント

この試合のポイントは2つ。スパーズディフェンス陣、ニューカッスルの交代策だ。

スパーズのディフェンス陣

この試合は、前節のアストン・ヴィラと同じメンバーで挑んだ。右からタンガンガ、サンチェス、ロドン、レギロン。その前節は2-0のクリーンシートで勝利。特にDFは安定して守れており、今後もこのメンバーで行くことが濃厚とみられた中での一戦だ。

しかしふたを開けてみると2-2のドロー。気になるところがいくつかあった。

まず連携面での不安ではないか。この試合でも19分のようにCBがマークのずれで前にやや釣りだされた際に、お互いのポジションを補完しあうことができず、ゲイルにヘディングシュートを放たれてしまった。結局のところロリスのスーパーセーブで難を逃れたものの、今後の展開に不安を覚えるシーンだった。

その後気になったのは、試合全体を通して右サイドバックのタンガンガがややインに絞っていたことだ。これがチームはたまたDFラインが望んでいたのかは定かではないものの、このポジショニングによってニューカッスル左サイドは容易にクロスを上げることが可能になっていた。

試合を通してニューカッスルのクロスボール総本数は28本。対してスパーズは14本だった。クロス対応が苦手なスパーズが倍近くクロスを上げられるのは問題だと私は思う。

2失点目は特に、タンガンガが寄せきれず、サンチェスはそのカバーのためややボールホルダーにより、その間にいたアルミロンをフリーにさせてしまった。タンガンガはこう見るとCBでありサイドバックの選手ではないように私は感じた。

この試合のように、スパーズはシステムを変えた試合は勝利できたが、それを継続する前に弱点を見つけられてタンガンガのポジション取りのようにウィークポイントになってしまう。誰が悪いというよりは、チームとして約束事がどうなっているのか、リーダシップを発揮できる選手が少ないことが問題ではないか。

特にうまくいっているチームは、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、失点の少ないチェルシーやヴィラはCBに肝となる選手がいる。スパーズはおそらくモウリーニョがダイアーを起用し続けてこのリーダー的ポジションについてほしかったのだと思うが、ミスが多くそれを断念。スパーズにはこのピースが今現在足りていないのだと思う。

その点では、失点こそしたものの、ロドンはレギロンに対してジョエリントンにマークに付くよう指をさしているなど、今後に向けた明るい点になった。1vs1でもほとんど勝利しているなど、今後はロドンを中心としたDF選考になってほしいものだ。

ニューカッスルの交代策

ニューカッスル・ユナイテッドの交代策は、この試合はずば抜けて得策だったように思う。2点目は交代で入った選手たちが活躍して奪ったといっていいだろう。

まずサン=マキシマン。71分にゲイルと交代して入ったが、やはりニューカッスルで最も警戒しておくべき選手は投入されただけ嫌な予感がした。投入後すぐにドリブルを仕掛けてくるなど、スパーズのディフェンス陣にとって非常に嫌な選手になった。得点のシーンは、そのサン=マキシマンがセンターサークル付近でタメを作って味方の上りを待ったところから生まれたものだった。

そして2点目を奪ったウィロック。彼もまた79分という終盤にクラフトと交代して投入された選手。出場時間の少ない中で、スパーズに追いつくために奮闘していた。そのあきらめない気持ちが、2点目のこぼれたセカンドボールに走り込む姿勢に表れていた。

正直なところ、スパーズとニューカッスルの選手には、このモチベーションの差が如実に表れているように感じた。それはこの得点に対する姿勢や意欲から感じたことで、スパーズの選手に決してないわけではないものの、一部の選手はその部分がわずかながらにニューカッスルの選手たちに劣っていたように思う。

話は逸れたが、このニューカッスルの選手交代は見事なものだったと思う。ここ数試合不調だったニューカッスルだったが、この試合を機にどのように残留争いを繰り広げていくのか注目したいと感じたところだ。

次の試合

スパーズの次の対戦相手は、日本時間4月12日の0時30分からホームでマンチェスター・ユナイテッドとの試合だ。前回対戦では6-1という大差で勝利をしている試合だが、それ以降のユナイテッドは着実な試合運びで現在2位に位置付けている。ポグバも復帰したユナイテッド。注目の上位対決になりそうだ。

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