スポンサーリンク

トッテナム・ホットスパー vs リーズ・ユナイテッド マッチレポート 21-22プレミアリーグ第12節

サッカー記事

21-22シーズンプレミアリーグ第12節、トッテナム・ホットスパーとリーズ・ユナイテッドの一戦は、2-1でトッテナム・ホットスパーが勝利を飾った。スパーズはリーグ戦で第8節ニューカッスル・ユナイテッド戦以来の勝利になった。

試合詳細

フォーメーション

スパーズベンチ

ゴリーニ、ドハティ、↑68サンチェス、ブライアン・ヒル、ロドン、↑79セセニョン、↑88デレ・アリ、ベルフワイン、エンドンベレ

リーズベンチ

クラーセン、↑59フィリポ、↑72ロバーツ、クレスウェル、ドラマー、↑87マクキンストリー、グリーンウッド、マックアーロン、ジェンキンス

スコアラー

トッテナム・ホットスパー

58:ホイヴィア(ルーカス)

69:レギロン

リーズ・ユナイテッド

44:ダニエル・ジェームズ(ハリソン)

メンバー選考

両チームのメンバー選考の意図を見ていこう。

トッテナム・ホットスパー

スパーズはロメロ、ロチェルソがケガで離脱中。スキップは出場停止。ロメロの箇所にはタンガンガ、スキップの位置にはウィンクスが入った。

それ以外のメンバー変更はなく、前節と同じ3-4-3の布陣で挑んだ。

ウィンクスを選んだのは、エンドンベレの起用は守備面での不安があるためだろう。ウィンクスにとっては、ロチェルソとスキップも起用できないからこそのチャンスといえる。

注目だったロメロの不在の間の右CBにはタンガンガが入ったことで、序列が伺えた。とはいえ結果論になるが途中出場のサンチェスがそれなりのパフォーマンスをしていたので、ここは今後ロメロが不在の間にベンチメンバーがアピールできるチャンスといえるのではないだろうか。

リーズ・ユナイテッド

リーズはエイリング、バンフォード、ハフィーニャ、コッホ、ロドリゴが負傷と主力選手が軒並み離脱。

そのためベンチメンバーを見ても10代のユース上りの選手を招集せざる得ないほど苦しい状況になっている。バンフォードに関しては、ケガから治ったかと思えば再び痛みを訴えるなど復帰時期が定まっていない状況だ。そんな中でこの試合は1トップにゲルハートを起用。

陣形としてはフィリップスがケインにしっかりマークに付くことで、自由にさせずパスを遮断させてスパーズの攻撃を止める狙いがあるだろう。CBの2人は、ルーカスやソンをケアしつつケインを見る形で、3トップを自由にさせないことが狙いになるだろう。

リーズに関しては、このメンバーでやりくりする必要があり、今後の冬の移籍市場ではストライカーの補強が急務といえる。

試合内容

試合はリーズ・ユナイテッドは予想通り前線からのプレッシングでスパーズ守備陣をチェイス、スパーズも時折ハイプレスを見せるが、必要以上に追いかけず。

前半はリーズがボールを握る時間が多く成る展開になった。しかしながら両チームとも最後の壁が厚いことや、中央をしっかりと固めていたため、なかなかゴールに到達することが難しい時間が続いた。

そんな中、前半終了間際の44分にリーズに得点が生まれる。左サイドでボールを受けたハリソンが、エメルソンを1対1でかわしそのまま高速クロスで折り返す。そこに猛スピードで入ってきたジェームズが合わせて先制。失点シーンに関しては後で言及したい。

スパーズは前半残り僅かの時間で先制され後半を迎えた。

後半からのスパーズは、まるでチームが変わったかのように別のチームへと変貌を遂げた。どのような檄が飛んだのか、それとも狙いなのかは不明だが、それでも58分にルーカスが必死に残したボールをホイヴィアへと繋ぎ、それをダイレクトで冷静に狙いすましてゴール。

69分にはダイアーのフリーキックがポストに当たった跳ね返りを、唯一詰めていたレギロンが押し込み逆転に成功する。

その後もピンチの時間があったものの、スパーズが比較的ボールを握る時間が続き、そしてそのまま試合終了。スパーズはコンテ監督を迎えて初のリーグ戦勝利を飾った。

試合のポイント、気になった点

この試合のポイントになったところや気になった点をここではご紹介したい。

局面でのポジショニング、判断

まず気になった点として、局面でのポジショニングや判断がまだまだコンテの求めるレベルではないといったところだ。

特にそれを感じたのは、スパーズの失点シーン。守備時にはいかにして数的有利を作るかが大事になってくるが、失点した44分のシーンでは、ハリソンに対して対峙したのはエメルソンだけ。

この場合であれば、後ろにいたタンガンガもしくは近くにいたウィンクスがエメルソンのカバーに入って、突破されてしまった場合のケアをするべきだったのではないだろうか。

タンガンガがカバーする場合にはダイアーもしくはダブルボランチが抜けたスペースを埋める。ダブルボランチがカバーに入るなら、前からルーカスがそのポジションを埋めに行くなど、局面でのポジショニングが気になった。

そのタンガンガがこの試合で68分に交代になってしまったのは、守備時にダイアーとポジショニングが被っていたことが要因だろう。とはいえトップチームデビュー以降、主に本職ではない右サイドバックを主戦場として戦っていた選手で、おそらく初の3バックの右をこなしているためまだまだ伸びしろがあるといえる。これに関しては結果的に勝てたからこそ言えることではあるが・・・

もう1つの判断という面では、チャンスメイク時にフリーの選手にボールを渡せないことが多々あった点だ。特にルーカスとレギロンにそれが多かった気がした。

攻撃時にカウンターとなり長い距離を走る必要があるため、最後の局面で疲労などから視野が狭くなることは容易に考えつく。しかしながらそこでより得点の可能性のあるプレーを選択できるのかということこそ、今後のコンテの求めるレベルに到達するといえる。総合的に見て、まだまだコンテのサッカーは始まったばかりだという印象を受けた。

前後半の差

この試合で最も注目したいポイントは、やはり前後半でのプレー強度が大きく異なった点ではないだろうか。

前半はシュート2本、枠内0とここ数試合のスパーズを象徴するかのような試合運びだった。しかし後半はシュート11本、枠内4本、さらに走行距離の増加とまるで別のチームへと変貌した。

その要因は何だろうか。考えられる点は3つある。

セカンドボールの回収

1つは文字通り走行距離が上がった、より前でボールを回収しようとするようになったことだろう。後半になってから、セカンドボールの回収もうまくできており、そういった予測の部分での細かいポジション移動などの修正も含め走行距離が上がったといえる。ではなぜセカンドボールの回収が良くなったのだろうか。

並びの変更とCBのオーバーラップ

2つ目は、若干の並びの変更と積極的なCBのオーバーラップだ。この試合で印象に残っているのは、ダイアー、デイビスが前へ運ぶシーンや、エリア内へ侵入してチャンスを迎えるシーンが多かったことだ。CBに対して守備時にマークに付くことはよほどなく、その選手たちが上がってこれば必然的にフリーになりやすく、マークをかく乱できる。それが後半リーズをかく乱させた要因の1つだろう。

また、後半からやや2トップ気味の配置になっている気がした。ケインとソン、ソンとルーカス、ルーカスとケインといったように3人のうち誰かが2トップになり、残りの1人はやや降りた位置に構えていた。

システム変更後

並びとしては3-4-3だったものを3-4-1-2に変化させたように感じた。これによってどうなるかというと、まず攻撃時に中央において同数で戦えるようになる。3トップの場合はケインが2人のCBに挟まれ、そこにフィリップスが加わりしっかりケインをケアされ自由になる時間が制限された。ゆえに前半は中央から崩すのがしんどかったのだろう。

しかし2トップ気味にしたことで、2トップに対して2人のCBが、フィリップスはトップ下気味の選手に付くため中央で同数の勝負が可能に。するとリーズとしては数的有利を作るために両サイドバックがやや絞る、インサイドハーフがやや下がるといった対応をしなければならず、結果としてスパーズの大外がフリーになったり、ポジションが全体的に下がることでクリアボールがスパーズの手に渡りやすくなったといえるのではないか。

また、2トップ気味にしたことによるもう1つの利点として、クロスを上げる際にほとんどの場面で中央に3人入ることができていた点だ。これは非常に大きなことだと思う。前半はレギロンのクロスに対して2枚のみでかつニアで合わせる選手がおらず、チャンスらしいチャンスになりにくかった。しかし後半は2トップ+トップ下or逆サイドのウイングバックが入ってくることで3人がエリア内で競り合う形を作れていた。

リーズも失点してからインサイドハーフだったクリヒを下げてフィリポを入れて、そのフィリポはルーカスに密着させる形でスパーズをけん制した。これによってインサイドハーフの選手が守備的にならざる得ず、結果的にクリアボールの回収に向かう人数が不足するため、セカンドボールをスパーズが拾えるようになったのではないだろうか。

リーズが後半攻め手に欠けるようになってしまったのは、このようなスパーズのシステム変更が大きくかかわっていると推測できる。ビエルサ指揮官の狙いは分からないが、同点にされた段階でこれ以上の失点を避ける方向にシフトしたとみていいだろう。

後半勝負

3つ目はあえて温存していたのではないかと考えられる点だ。その理由として、後半の試合を前半にも行っていた場合に、終盤で失速していた可能性も考えられる。

コンテが就任して代表ウィークを挟んで試合が行われていたため、残っていた選手は2週間みっちりトレーニングを積み重ねているだろうが、スタメン組の半分は遠征から戻ってきた選手だ。その状態で果たして後半の強度を90分こなせただろうか?

また、フィジカルコンディションをあげるのは非常に時間がかかるものだ。私はグラウンドキーパーという仕事をしており、クラブチームに関わる機会があるが、そのクラブで監督の途中交代があった際に、新監督は自身の求める強度のプレーができず就任当初と翌シーズンスタートは非常に苦労していた印象を持っている。

オフシーズンをコンテのトレーニングで過ごせていないからこそ、この前後半でスタイルの変化を必要としたのではないだろうか。

また昨シーズンはモウリーニョ政権下で、前半のうちに得点を決めて後半は引いて守るしんどい試合が続いたのを覚えている方も多いだろう。コンテはそれも加味して、試合を終わらせることができる選手がいないから、前半は必要以上に前からプレスに行かないで耐えるサッカーをしたのではないか。前半の1失点程度は想定内だったのかもしれない。

いずれにしても、90分強度の高いプレーを今のスパーズでできる状態ではないとの判断だろう。これからが非常に楽しみである。

今後の日程に耐えれるか

最後は心配事だが、今後の過密日程に対して耐えることができるのか。

カンファレンスリーグは基本的に日本時間金曜日、試合は日曜日ということが多く、中1日という過酷な日程になる。またこのリーズとの試合から12月末まで11試合もあるため、基本的に毎週2試合ある計算になる。特に12月17日、20日、23日はレスター、リヴァプール、カップ戦でウエストハム・ユナイテッドと1つのターニングポイントになりそうな試合が続く。

後半の強度の高い試合をサポーターは求めたくなる一方で、今後のことも考えると無理はさせたくないという矛盾を抱えることになりそうだ。一番の理想は、ターンオーバーを可能にすることだろう。

この試合でいうと、直近で試合に出場機会がなかったウィンクスやセセニョンが比較的戦力として計算できそうなこと。ロメロが不在の間はサンチェス、タンガンガで乗り切れそうな点。

カンファレンスリーグでは格下のムラとの対戦が残っており、そしてレンヌがフィテッセに勝利すると2位通過が決まる状況なため、メンバーを落として挑めそうな点。

これらを考慮すれば、ターンオーバーしつつ過密日程を乗り越えられそうだ。あとはエンドンベレとデレ・アリ、ドハティの復調、そしてロチェルソの故障癖がなくなればよりメンバーに厚みが生まれそうだ。厳しいかもしれないが・・・

私がこの試合で冬の移籍市場でコンテが欲しそうな選手を見つけた。それはフィリップスだ。ロングボールも精度が高く、守備面でもしっかりボールを刈り取ることができ、アンカーとしての起用にうってつけだ。残り2年半の契約が残っているが、私は1つのプランとして将来的な獲得は十分あり得そうな気がした。

今後の試合

スパーズの次の対戦相手は、アウェイで11月26日2時45分からカンファレンスリーグでムラとの対戦だ。そして28日23時からはバーンリーとのアウェイ戦だ。

ここからは非常にタフなゲームが続くことだろう。毎週末が久しぶりに楽しみな日々になることを祈りたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました