トッテナム・ホットスパー vs バーンリー マッチレポート

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プレミアリーグ第26節、トッテナム・ホットスパーとバーンリーの一戦は、4-0でトッテナム・ホットスパーが勝利を飾り、連敗をストップした。

試合詳細

まずはフォーメーションやスコアラー、メンバー選考についてみていこう。

フォーメーション

トッテナムベンチ

ハート、ドハティ↑80、ウィンクス、ラメラ↑70、ダイア-、シソコ、デレ・アリ↑66、デイビス、ヴィニシウス

バーンリーベンチ

ピーコック、ウッド↑73、スティーブンス↑80、バルドスリー、ロング、ダン、リチャードソン↑88、ベンソン、ドリスコール=グレノン

スコアラー

トッテナム・ホットスパー

2:ベイル(ソン・フンミン)

15:ケイン(ベイル)

31:ルーカス(レギロン)

58:ベイル(ソン・フンミン)

メンバー選考

トッテナム・ホットスパー

スパーズは、右サイドバックにオーリエが復帰。CBにはサンチェスとアルデルヴァイレルトが入った。

アルデルヴァイレルトを起用した意図は、前回対戦時同様にバーンリーが前がかりになったところでロングボールを相手DFの裏に送り込み一気に攻撃を仕掛けるカウンターを行いたいため。

また、中盤へのプレスが激しかったことからも、この攻撃がいかに大事になるのかを踏まえてのメンバー選考だろう。

サンチェスの選考は、裏を取られた際にダイアーだと反転に苦しんだり、相棒のアルデルヴァイレルトが抜かれた際に走力でカバーさせたいのが狙いではないか。

中盤は変わらず。前線の組み合わせは、ソン、ルーカス、ベイルに。

ルーカスの選考は、おそらくバーンリーに対してカウンターを仕掛ける際にスプリント力に長ける選手がいることで、ソンやケインだけにマークを絞らせにくくできるから。

ベイルの選考は、前節ウエストハム戦で途中出場から試合に大きな違いを生み出すことができたことや、ミッドウィークのELでも得点を決めるなど、ようやく本調子に戻りつつあるから。カウンターを仕掛ける際の走力、パワー、パスセンスは存在だけでも今日にになることからも、このメンバー選考になったといえる。

バーンリー

バーンリーは、今シーズンケガによる離脱者に苦しめられつつある。ウッドはベンチに戻ってきたものの、その相棒を務めるはずだったバーンズは離脱中。少数精鋭で挑むチームなだけに、ショーン・ダイシは頭を抱えているだろう。

メンバーは前節と変更なしで挑んできたことからも、そのことがいえるのではないか。

とはいえ、狙いはやはりロングボールでまずはイーブンのボールからセカンドボールを拾って攻撃につなげていく形だろ。ウエストウッドが中盤から正確なフィードを放ってFWに背負ってもらう。しかしこの2人のFWは背負ってファイトするタイプではなく、裏への抜けだしや細かいところのテクニックで戦う選手だ。この普段であればウッドという身体的強さを持った選手がいないときの戦い方というのを、再考しなおす必要がありそうなメンバー選考とゲームプランだったように思う。

試合詳細

試合は早々に動き出す。開始2分にソン・フンミンが左サイドでボールを持ち、比較的プレッシャーの少ないタイミングでクロス。これにベイルがオンサイドで抜け出して、軽くワンタッチで先制点。バーンリーがラインコントロールミス、さすがにあのタイミングだとGKポープはノーチャンスか。

さらに10分には、アルデルヴァイレルトのロングボールに反応したソン・フンミンが、CB裏でボールを受けて上がってきたルーカスへ。このシュートは得点にこそならなかったものの、この日のスパーズは得点したことによりカウンターを仕掛けやすくなり、自分たちのペースに持ち込むことができたといえる。

バーンリーはその後、ロングボールから打開していこうと模索するが、幾度となく跳ね返されてしまう。すると15分には、スパーズ自陣エリア付近でボールを受けたベイルが、ロートンの空けた左サイドを縦へと走るケインを見逃さずにロングボール。バーンリーの選手たちはこれに追いつくことができずにケインが2点目をゲット。まさに理想的な形でバーンリーが前がかりになりつつあった時間に2点目を獲得。

その後も31分には、ベイルが右サイドで起点を作ってサイドチェンジ。レギロンが受けてほとんどプレッシャーを受けることなくクロス。ケインが合わせることができなかったものの、前節得点を決めているルーカスの下へ。これを冷静にシュートし3点目。バーンリーは、クロスを上げる選手に対しての寄せが甘く、容易に上げられてしまっていることが、ここらの失点の原因だろう。

そのままスパーズがカウンターを狙う展開が続き後半へ。55分にはスパーズ自陣でレギロンとのワンツーで抜け出したソンが、そのままカウンター。ルーカスがアウトへ走る動きを見せてバーンリー守備陣を引き付ける中、逆サイドを走るベイルにパス。彼がそのまま左足で巻き気味のシュートを放ちポストに当たりながらゴールへ。ベイルはこの日2得点1アシストと本来の調子が戻りつつある中70分に途中交代。

その後もケインやソン・フンミンが惜しいシュートを放つが、いずれもスパーズへの移籍の噂があるポープがセーブ。ポープにとってノーチャンスといえるシュートばかりだったこの試合だが、要所で見せるセーブ技術はさすがだった。

バーンリーもオフサイドとなったがバーをたたくシーンがあったりと、惜しいチャンスを作れはしたものの、得点には一歩及ばず。結局試合は4-0でスパーズが勝利。ベイルの完全復活を期待させる試合内容だった。

試合のポイント

この試合の気になったところを3つに絞って見ていきたい。スパーズの攻撃の組み立て、ギャレス・ベイル、バーンリーの守備の3つだ。

スパーズの攻撃の組み立て

言葉にするのが難しいが、スパーズは以前までビルドアップの際に、CBやサイドバックがボールを持った時、それを受けに来る選手がかなり限られており、パスコースが限定されてボールを奪われてピンチを迎えるという場面があった。いわゆるオフザボールの動きだ。

しかしこの試合では、ボールホルダーへのサポートを全員が意識しているように感じられた。特に4点目のレギロンとソンのワンツーなんかは、今まではホイヴィアもしくはエンドンベレが受けに行っていたところにソンが受けにきて攻撃の起点を作り出していた。今までであれば、ソンは最前線でCBの裏を狙うことが仕事だったが、このポジションで起点を作り出したのは、今シーズン初ではないだろうか。

この改善理由はいくつかある。1つはエンドンベレが中盤のボランチに入ったことだろう。少し前まではシソコがこのポジションに入ることが多かったが、彼とエンドンベレで大きく異なるのは、ボールを受けた際の安心感だろう。

彼がいることでDF陣は安心してボールを渡すことができるほか、1枚はがして前を向く強さも持っているため、足元があまりうまいとは言えないサンチェスも、パス以外の面で活躍することができるようになったのではないか。

そのため、パスコースがなく無理にボールを蹴るのではなく、エンドンベレがパスを受けにきて釣りだされた選手のところにスパーズの選手が入ってきてボールを受けるなど、オフザボールの動きの改善が見られた。

また、エンドンベレがここにいることで、ケインが最終ライン付近まで下がりすぎることなく攻撃の組み立てをすることができるのは、強みになっているはずだ。以前まではエンドンベレとケインがどちらも下がり目で攻撃の組み立てを行うことがあり、そうなると前線にはウイング2枚だけになってしまいマークもしやすくなる。しかし彼が下がりすぎることなく、そしてトップ下のルーカスが最前線に残ることで、ウイング+ルーカスとさらにはケインを誰かがチェックに行く必要が出てきて、対戦相手はかなり守りにくくなる。

ようやくエンドンベレが中盤に入っても攻撃を組み立てることができるようになりつつあるといえるだろう。

ギャレス・ベイル

この男の復活は、スパーズの今後の躍進の狼煙に過ぎないだろう。レアル・マドリーから復帰した今シーズンは、ここまでケガやコンディション不良によって、本来のパフォーマンスを発揮できておらず、モウリーニョ監督との関係性の悪化も噂されるほどだった。

しかしこのウェールズ人は、いよいよここにきてマドリーへの移籍前のスパーズ在籍時のパフォーマンスを彷彿とさせるプレーを徐々に見せ始めている。

彼が活躍することによって、得点を取れるようになるだけでなく、周りの選手への負担もかなり減るのではないか。その1つとして、上記でも述べたが、ソン・フンミンが最前線で1人で複数人のマークを背負い続ける必要がなくなり、ベイルへのケアが必要になってくることだろう。これによって、組み立て時にベイル、ソンが加わることができて、ビルドアップの際に人数をかけて組み立てることが可能になる。

やはり守る側からしても、ギャレス・ベイルというネームバリューはかなり大きいだろう。12-13シーズンにスパーズでプレミアリーグだけでなく世界に衝撃を与えたこの背番号9は、今でもその強烈なインパクトが脳裏に焼き付いているはずだ。

このバーンリー戦でも、ベイルをケアするあまり逆サイドがフリーになりサイドチェンジをとおされるしーんがたびたび見られた。サポーターにとって待望のソン、ケイン、ベイルという三銃士がいよいよゴールという火を噴くことになるだろう。今後の活躍が楽しみだ。

バーンリーの守備

この試合で気になったのは、バーンリーがクロスボールを上げる選手やボールホルダーに対しての寄せが非常にあまかったことだ。

特に前半の3得点は、いずれもマークが甘く、ほぼノンプレッシャーの状態でクロスやロングボールを蹴ることができていた。

バーンリーは私の印象では、サイドに人数をかけて守るのではなく、中央にある程度人数を置いてはじき返しているイメージがある。そのためこの試合でもクロスを上げる選手に強く寄せすぎて抜かれるよりも、少し前でクロスをブロックする方が守りやすいと判断したのではないか。

後半からは改善されたように思われるが、3失点してからでは時すでに遅かった。

現在リーグで勝ち点28の15位に沈むバーンリー。降格圏フラムは勝ち点23で5ポイント差があるものの、今後、レスター、アーセナル、エヴァートンとの連戦が続いていく中で、かなり厳しくなってくるだろう。

ここの守備をもう少し強く寄せる必要があるのではないかと私はバーンリーを心配している。

芝生について

この試合で選手が足を滑らせるシーンが多々あったように思う。それは解説のベン・メイブリーさんもお話されていた。他会場でも少しあったとお話されていたところを見ると、イングランド国内全体の問題のようだ。

私が気になったのは、久しぶりに芝生がめくれていたところだ。85分にラメラがこけたシーンでは、芝生が剥がれていたが、数試合前までは芝生がここまで剥がれることがなかったように思う。

ロンドンはいつも通り雨と晴が入り乱れる天気だったようだが、気温に関しては最高気温が2度までしか上がらない日もあれば、16度まで上がる日があったようだ。

私が思うに、芝生に足を滑らせる要因は3つほどあるとみている。それは天気、過密日程、ハイブリッド芝だ。

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寒暖差、特に寒い日が多く雨が多いと、植物の光合成も厳しく成長しにくくなる。すると根も生長が厳しく、芝生が活着しにくくなる。そしてこの過密日程。通常であれば、天気の悪い日や試合まで時間がある日は、以前もお話したグローライトを使えば、ある程度の成長は見込める。しかし試合日程も過密で、しかもスパーズにいたってはヨーロッパ5大リーグで最も試合数が多いチームではないかといわれている。そのため、芝生に十分な休養がないことも、リーグ全体を見ていえるのではないか。

そしてハイブリッド芝。ハイブリッドターフは人工芝繊維がある分、エアレーション作業といった土壌中の環境改善作業がしにくいといわれており、ノエビアスタジアムなどはコケが生えてしまうといった問題もあった。

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近年日本でも導入されたハイブリッドターフっていったいどんなもの? その疑問をここでは解決!!

プレミアリーグの多くのスタジアムにはハイブリッドターフが入っており、これらの影響から滑りやすくなっているのではないか。

いずれにしても、芝生には休養がある程度必要ともいえる。過密日程は人だけでなく芝生にも影響するのだ。

次の対戦相手

トッテナム・ホットスパーの次の対戦相手は、日本時間3/5の早朝3時からアウェイでフラム戦。主審はデイビット・クート。5試合負けがなく2勝3分と少しずつ降格圏からの脱出を図ろうとするフラム。前回対戦は1-1のドロー決着だっただけに、この試合では勝利したいところだ。

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