トッテナム・ホットスパー vs アーセナル マッチレポート

サッカー記事

プレミアリーグ第11節、トッテナム・ホットスパーとアーセナルのノースロンドンダービーは2-0でトッテナム・ホットスパーがアーセナルを下した。

フォーメーション

トッテナムベンチ

ハート、ウィンクス、ベイル、ロドン↑90+1、ルーカス↑88、デイビス↑71、ヴィニシウス

アーセナルベンチ

ルーナルソン、セバジョス↑45+2、メイトランド=ナイルズ、ムスタフィ、エルネニー、ウィロック、エンケティア↑75

スコアラー

トッテナム・ホットスパー

13:ソン・フンミン(ケイン)

45+1:ケイン(ソン・フンミン)

試合内容

メンバー選考

トッテナム

この試合、トッテナム側はロリスの体調不良が噂されていたものの、無事にスタメンで出場。また、ケガ明けのアルデルヴァイレルトも復帰。ミッドウィークのELではケガで離脱していたレギロンとケインも復帰した。

その一方で、エンドンベレが直前に体調不良ということで欠場し、代わりにロチェルソがスタメンに名を連ねた。このアルゼンチン人は、リーグ戦では第3節のニューカッスル・ユナイテッド戦以来のスタートからの出場となった。

アーセナル

一方のアーセナルは、先日のウォルバー・ハンプトンとのリーグ戦でヒメネスと頭部がぶつかった影響により、D・ルイスはこの試合も欠場。代わりにホールディングが右のCBへ入った。

そして中盤はトーマス・パーティが11/9のアストン・ヴィラ戦以来の復帰を果たした。

ゲーム展開

試合の展開は、大方の予想通り、トッテナムがあまり前がかりにプレスへ行かず、後ろでブロックを形成しカウンター狙い。アーセナルがボールを保持してゲームを支配する展開となった。

ただ、この試合のアーセナルは切り替えが早く、ボールを失ったらすぐにスパーズディフェンス陣や中盤へプレッシングに行き、ロングカウンターの芽を摘んでいた。また、ラカゼットがホイヴィアにマークに付き、自由にボールを保持させないようにしていた。その一方で、ホイヴィアもまたラカゼットのマークに付き、自由にさせなかった。互いに互いをマークしていた印象だ。

この試合展開を見て感じたのは、シティ戦と同じような試合になりそうだと感じた。

開始10分頃までは、アーセナルの寄せは強く、スパーズを自由にさせなかった。しかし13分のソン・フンミンのゴールは、その一瞬を突いた。ダイアーのクリアからベルフワイン→ケインへと繋ぎ、左サイドを走るソン・フンミンへスルーパス。ミドルシュートでスーパーゴール。これで1-0。

以降もまた、アーセナルがボールを保持する時間が続く。一時だが、アーセナルの支配率が5分間で90%以上の時間があるなど、徹底してスパーズはブロックを形成した。

だが、またしてもスパーズはゴールを奪う。この試合で始めて開かれた展開となった前半アディショナルタイム。ベジェリンのクロスが合わずにオーリエがカット。4枚を一気に縦パスで抜きロチェルソへ。そのまま運んで4-2の形でスパーズが優勢に。左を走るソンへ渡し、引き付けたのちに後ろを走ったケインに渡してニアの天井へ強烈なシュート。見事なカウンターだった。

この2得点でケインとソンのコンビは通算31得点。これはチェルシーのランパードとドログバの36得点に次ぐ数字となった。またケインはノースロンドンダービーで11ゴールと単独首位に。まさにダービー男といえよう。

その後も後半は、アーセナルがボールを保持してスパーズがブロックを形成する我慢の時間が続いたが、見事逃げ切りスパーズがリーグ戦10戦負けなし。トッテナムは首位へ浮上。アーセナルは15位に沈み得点数はソン・フンミンと並んだ。

この試合のポイント

この試合について、いつも通り3つのポイントに絞ってみていきたい。スパーズの硬い守備、スパーズの得点シーンからみるアーセナルの守備、モウリーニョ監督の3つだ。

スパーズの硬い守備

まずこの試合ではスパーズがボールを握る展開はほとんどなかったものの、ほとんどピンチを作らせることなくクリーンシートを達成できたということが一番の収穫ではないだろうか。

スパーズのボール支配率は、ゲームを通して30%、そうパス本数194。アーセナルは548ものパスを出していたのだから、いかにボールを保持していないのかスタッツをみても明らかだ。

ボールを持たせていたというイメージだろう。アーセナルのビッグチャンスは、68分ごろのラカゼットのヘディングシュートくらいだった。この試合でトータル44本物クロスをあげられたが、しっかりはじき返していた。

以前までであれば、スパーズにとってクロスボールというのはかなり脅威だった。昨シーズンからクロスによる失点が続いていたし、今シーズン序盤もクロスボールによる失点が続いた。ここにきて守備の硬さというものが定着してきたように思う。

その1つの要因としては、ダイアーの集中力の高さがうかがえる。この試合でもクロスボールをしっかりヘディングでクリアできていた。そして彼の強みである縦パスが入る瞬間に刈りに行くところも健在だった。

26分のシーンは、特に印象的で、縦パスが入る瞬間に後ろからボールだけをつついて奪った。最近ダイアーのファールが減ってきたというのも1つの成長といえ、自らのファールでピンチを招くことも少なくなった。

ただし、48分のクロスボールに対してダイアーが目測を誤ったのか、前へ出過ぎてしまいフリーでヘディングされるシーンがあったことは、見逃せない。しかしながら、以前までと打って変わって、大きなミスもなくなってきたのは心強い。クロスをどれだけ入れられていても、以前までと違い、安心してみることができた。

また、攻撃の形が定まらないアーセナルのオフェンスをブロックするのはたやすかっただろう。後半はクロスボールがたくさん入ってきたが、187cmのオバメヤン以外差し詰め身長に脅威はなかった。であれば足元からつなぐ攻撃の方が怖かったように思う。

これでリーグ戦4試合連続のクリーンシート達成。守備力の高さが結果として出ている。

得点シーン

得点シーンを見ていこう。スパーズは徹底してカウンターを狙っていたが、まさに理想的な形からゴールを奪ったといっていいだろう。だが気になったのが、アーセナルの守備だ。

まずは1得点目。ケインから左サイドを走るソン・フンミンへつないだ後のソンへの対応をみていきたい。ソンと対峙した選手はホールディングだが、ソンの後ろをオーバーラップしたレギロンが一瞬気になったことでソンにカットインを許してしまう。

ここで注目してほしいのは、ベジェリン、トーマス、ウィリアンの対応だ。おそらく彼らはこの距離であればシュートは撃たないと踏んだのだろう。ウィリアンはダッシュをやめ、トーマスはベルフワインへのパスのケア。ベジェリンはとりあえず戻りブロックを形成しようとしていた。

そして一瞬フリーとなったそのソンは、レノのポジショニングを確認しファーへ巻いたボールを打ち込んだ。26mくらいあっただろう場所からのミドルシュートで、スーパーゴールといえる。

しかしアーセナルの選手たちがもう少し寄せていたら、結果は大きく変わったかもしれない。肝心なところでの寄せの甘さが招いた失点といってもいいだろう。もちろんソンの個人技の高さによるものが大きいことは重々承知の上だが。

スパーズの2得点目もやはりロングカウンターからだった。ベジェリンのクロスボールをオーリエが保持し4人を引き付けて前線のロチェルソへ。この時は非常にオープンな展開で、カウンターに次ぐカウンターであった。

気になるのが、アーセナルの中盤が全員前がかりになってしまったことによって、CBとの間に20m近いスペースが生まれていたことだ。そしてCBは2人のみ。対してスパーズは3人+ロチェルソ。この時点ですでに勝負あったといえる。

トーマスが負傷していたことにより、守備の枚数が減ったと考えてもいいだろう。確かに彼がいれば中盤にここまでのスペースを与えることなく、容易なカウンターを受ける可能性を減らせたはずだ。では問題は何なのか。

私はトーマスは負傷明けでまだコンディションが万全ではなかったと思う。にもかかわらず起用したアルテタに問題があったとみている。スパーズ相手のカウンターによる攻撃に全速力で戻らなければ戦えない非常に強度の高い試合において、負傷明けかつ1か月ぶりの彼をスタートから起用したのは間違いだったと私は見ている。だからこそ、私はトーマスではなくエルネニーを予想スタメンに入れたのだ。

この試合は、ノースロンドンダービーにおいて、アルテタ監督は就任以降2連敗。監督の手腕と経験値の差が出たといえるだろう。

モウリーニョ監督

監督の手腕の話をしたが、この試合で誰よりも勝利に貪欲だったのは、モウリーニョ監督だろう。

試合前からすでにマインドゲームのようなものを仕掛けていた。ロリスの体調不良、ミッドウィークのELにおけるケインとレギロン、ヴィニシウスの負傷情報。ふたを開ければ誰一人問題なくメンバー表に名前があった。

そしてスタメンでもエンドンベレではなく直前にロチェルソをスタメンに入れたサプライズ。エンドンベレは体調不良ということでこの試合は欠場。これが本当なのかどうかは分からないが、結果としてロチェルソは2点目の起点となるソンへのパスを出しているなど結果を残した。

また後半にはデイビス、ロドンを投入して徹底的に守備を固めに行くリアリズムを追求した。ポチェッティーノ前監督の時はここまで極端な守備固めは今までしたことがなかったと思う。それだけこのポルトガル人指揮官は勝利に対して貪欲なのだ。

その一方で、一部他のチームのサポーターや解説者が、モウリーニョ監督のこのサッカーについて「観客がスタジアムに入るとブーイングを浴びるのでは」といった話が出てきているが、私はそうは思わない。むしろアーセナルのようにボールを保持しているにもかかわらず点が取れない方がブーイングは大きいように思う。

それにスタッツでは、勝利したバーンリー戦、マンチェスター・ユナイテッド戦においては支配率で60%を超えているなど試合によって戦い方を変えている。そしてボールを保持していてもいなくても勝利。結果をださなければ優勝できない。この勝利へのメンタリティこそ、今までのスパーズの欠如していた点であり最も大事なポイントだった。それをもたらしたモウリーニョは、スパーズにとってベストな監督といっていいだろう。

次の試合

スパーズの次の対戦相手は12/11金曜日に行われる一戦で、ヨーロッパリーグ第6戦目、ホームでアントワープを迎える。すでに決勝トーナメント進出が決定しているスパーズとアントワープにとって消化試合になるが、1位か2位なのかによって決勝ラウンドの対戦相手が変わってくるため、重要な一戦になるともいえる。しかし、メンバーはかなり落として挑むだろう。

次ぐ12/13日曜日にはクリスタルパレスとアウェイ。12/17木曜日のミッドウィークには、リヴァプールと1位2位の直接対決が控えている。アントワープ戦から8試合中2日3日での試合が1/3まで続く非常にタフな連戦になる。ここを乗り越えると、優勝は見えてくるかもしれない。

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