トッテナム・ホットスパー vs フラム マッチレポート

サッカー記事

延期されていたプレミアリーグ第16節、トッテナム・ホットスパーとフラムの一戦は、1-1のドローに終わった。

フォーメーション

スパーズベンチ

ハート、ドハティ、アルデルヴァイレルト、ベイル、ラメラ↑75、デレ・アリ、ルーカス、デイビス、ヴィニシウス↑81

フラムベンチ

ロダーク、ヘクター、ケバノ、リアム、ルックマン↑66、ブライアン、オノマー↑90、コンゴロ、カマラ↑86

スコアラー

スパーズ

25:ケイン(レギロン)

フラム

73:カバレイロ(ルックマン)

メンバー選考

まずは両チームのメンバー選考について見ていこう。

トッテナム・ホットスパー

スパーズは大方予想通りのメンバーだが、予想と異なったのは、シソコが右サイドハーフに入り、ウィンクスが中盤に入ったこと。もしベルフワインが起用できるのであれば、右に起用されていただろが、何らかのアクシデントがあったことが示唆できる。

この起用方法の理由は、おそらくフラムがウィングバックとウィングに近いポジションに選手を配置してくると予想したからだろう。フラムはこのシステムだとサイドに人数をかけてくることが予想されるため、まずはサイドでもしっかり数的有利を作る守備をというところでシソコを起用したのではないだろうか。

サンチェスの起用は、サイドバックの裏にボールを通された際に、相手FWとスピード勝負で勝てる選手が必要だったからだと思われる。どうしてもウィングバックの選手にマークが行くことで、FWの選手がサイドバックの裏を狙うことが予想され、その穴を埋めるにはある程度のスピードが必要で、アルデルヴァイレルトよりもサンチェスの方がスピード勝負では分があると思われるからだ。

フラム

フラムはこの試合で、ロフタスチークを0トップのような起用の仕方をした。組み立てにも参加するだけでなく、ファイナルサードへの飛び出しも期待して、また持ち前のフィジカルを活かしてクロスボールに対して競り合える形を目指したのだと思われる。

また、カバレイロとデコルドバ=リードを起用することで、高さ勝負ではなく、スパーズDFの裏を狙いに行こうという意識が見受けられる。この両選手はどちらも裏のスペースを見つけるのが上手い選手であり、レギロンやオーリエが前がかりになったタイミングを見て裏を狙う意識があったのではないか。

試合内容

試合は両チームともに前がかりに奪いに行く姿勢が見えた。フラムとスパーズは似たようなプレスのかけ方を見せており、奪われて数秒間はプレスをかけに行くが、ある程度ボールが落ち着いてきたらブロックを形成した。

とはいえ、スパーズがボールを保持し、フラムが受ける展開になると予想していたが、フラムもここ数試合で見せてきているようにボールをしっかり繋いで前に運ぶ意識が見受けられ、そのためか試合を通してのスタッツはスパーズが52%とフラムが48%でほぼフィフティの支配率だった。

フラムは攻撃時にも後ろにある程度の人数を残しておくことで、スパーズのカウンターの芽をしっかり警戒していた印象だった。

内容は、スパーズは攻撃時にはサイドバックも攻撃参加、特にレギロンはかなり内側に絞ってエリア内に侵入し、クロスボールに合わせる姿勢をみせていた。特に、ケイン、ソン、エンドンベレ、レギロンはかなり流動的に動きポジションの入れ替えを繰り返していた。

この動きもあってなのか、得点のシーンでフラムの守備陣は内側に絞っており、レギロンは大外の裏を抜けてホイヴィアからのボールを受け取ることができた。そしてクロスボールにケインが合わせてゴール。

このゴールはホイヴィアのパス精度、ケインのシュート技術もさることながら、ここまでの試合を通して内側に絞って攻め込んだレギロンがフラムの陣形をやや崩したことがゴールの要因ではないか。

前半は要所でフラムもチャンスを作っていたが、この上記であげた4人が流動的に動くことでフラム守備陣をかく乱させていた印象を受けた。

後半にはスパーズは決定機を作るものの、71分のソンの決定機など決めきれず、またアレオラのビッグセーブもあって追加点を奪えずにいた。

そんな中後半は、前半から気になっていたフラムの中央を通す縦パスがより通るようになってきた。前半にはこの展開からビッグチャンスを作り出しており、34分だがロフタスチーク→テテ→ロフタスチークとまさにこの試合の狙い通りの形を作り出していた。後半は特にロフタスチークが組み立てに参加して、なおかつファイナルサードまで顔を出しに行く形をよく見た。

スパーズは追加点が決めきれず、逆に徐々にいつものように終盤支配されていく嫌な流れが続いた。そしてついに73分に失点を喫す。交代で入ったルックマンがサンチェスをかわしクロスを上げ、カバレイロが決めた。このシーンに関しては後で考察していこう。

その後は、終了間際にレギロンがゴールを決めたように見えたが、オフサイドで取り消し。そして試合は1-1のドローに終わった。

試合のポイント

この試合のポイントを3つに絞ってみました。前線の流動性とプレッシング、CBがサイドに釣りだされる、ダイアーの働きの3つだ。

前線の流動性とプレッシング

この試合でスパーズの攻撃に今までと違ったところがあったように感じた。今までは前線の4人、例えばソン、ケイン、エンドンベレ、ベルフワインの前4枚が流動的に動きポジションチェンジを繰り返すのは見てきた。

しかしこの試合では少し変わって、ソン、ケイン、エンドンベレはポジションを入れ替えるのはもちろんだが、ここにレギロンが参加していた。逆にシソコは、時折逆サイドにポジションを移すこともあったが、今までのベルフワインや他のサイドアタッカーほど流動的に動いてはいないように感じた。

レギロンがこの前線3人と流動的に動くようにした理由は何か。いくつか考えられるだろうが、まずは彼のスピードとクロスボールの精度だろう。彼が左サイドに張ることで、ソンがやや内側にポジション取りができる。当然ながらそうなると、相手右サイドで対峙する選手は当然ソンもケアしつつ、レギロンも見なければならなくなる。レギロンは単独でも突破できその後のクロスも得意とする。かなりサイドでは厄介な選手になる。

そしてもう1つは、レギロンがインに絞ることで、相手に守備陣形をよりコンパクトにしようと意識させることができることだ。フラムのサイドの選手は、必然的にソンやエンドンベレといったより驚異的な選手が内側に来ることになり、その対処のためややインに入りコンパクトに保つ必要が出てくる。そこにレギロンもインに入るとますますその意識は強くなる。

そしてその意識を植え付けたところで、ホイヴィアが大外のレギロンに向けてパスを放ちゴールに結びつけた。この先制点は、レギロンや前線の3選手が守備陣形をかく乱させたことによる得点といえる。

では逆サイドのシソコの方はどうなのか。こちらはどちらかというと、攻めの意識よりも守備意識の方が高かったのではないか。フラムは見ていると、左サイドからの攻撃を仕掛けるタイミングが少なく、見方を替えるとうまく抑え込めていたといっていいだろう。

特にこの試合は、ボールを奪われた際に右サイドに集めさせて、シソコやオーリエ、エンドンベレなど近くの選手がタッチライン付近でボールを奪いショートカウンターにつなげていた。43分のシーンはまさにこのプレッシングが効果的に表れていたと思う。

流動性とプレッシングのかけ方が、前半チャンスをより作り出すことができていたといえるのではなかろうか。

スパーズのCBがサイドに釣りだす、ロフタスチークの働き

スパーズの攻撃について見てきたが、今度はフラムの攻撃を見ていこう。

フラムはこの試合を通して、CBをサイドに釣りだすような攻撃を仕掛けている印象を受けた。この試合の戸田さんもお話されていたが、ダイアーやサンチェスが手を後ろにして対応していると話していたが、裏を返せばサイドバックではなくCBがサイドに対応に行っているということだ。

レギロンが攻撃参加し、オーリエがプレッシングで取り切れなかったところにボールを通される。スパーズの攻撃の形を上手く見極めての攻撃だった。これにより中央にいるCBは1人となり中はかなり手薄になる。

今回のスパーズの失点は、まさにこの形からだった。サンチェスがサイドに釣りだされてしまい、中央はダイアーとレギロン。決められたが、この形はフラムの狙い通りといっていいだろう。このCBが釣りだされた時の守備対応は、今後一気に狙われる可能性も考えられ、対策を取る必要があるだろう。

またこの試合でフラムの攻撃をけん引していた選手は、ロフタスチークだろう。彼はこの試合で組み立て、ファイナルサードでの攻撃参加とマルチなタスクをこなしていた。

特にこの試合を通して、彼に入る縦パスの量が異常なほど多かった。おそらくCBはサイドバックの裏をケアしなければならず、前へプレスをかけに行きにくく、ボランチの2人のちょうど間のポジションを取っていたことで、ボールを受けやすくしていたのだろう。それが見事にはまったといえる。

特に34分のシーンはフラム、ロフタスチークのやりたかった形だろう。ロフタスチークに縦パスを通して前を向き、サイドのテテへボールを渡してそのままボックスへ。そしてクロスボールにシュートで合わせる。この時、ロフタスチークはCBとボランチの中間ポジションでフリーにさせてしまっていた。

やはり相変わらずのクロス対応の弱さを露見した2つのシーンだった。

ダイアーについて

あまり個別の批判をしたくないのだが、どうしても気になる選手がいたので言及したい。それはダイアーだ。

サンチェスの批判の声は少し聞こえ来たが、個人的にはこの試合は良かったと思っている。確かに失点のシーンで抜かれてしまったのは残念だが、それ以外のシーンでは、カウンターに対してスピードで追いつきしっかり対処、前へ出てボールを奪うなどいつも以上の活躍を見せていた。

そもそも、失点のシーンはダイアーのパスミスによるものからだ。周りがキーパーに戻せという声に応えず、勝利しているにもかかわらず相手CBに対してボールを蹴っていた。手数がかかったとはいえ、フラムがここでマイボールにしてから得点された。77分にも、クリアボール?パスミス?のボールを拾われてピンチを招いた。残念だが、この2つのパスミスは擁護できない。

ダイアーはこの試合もそうだが、終盤にミスが多い印象。正直なところ、ダイアーのCB起用には限界があるように思われる。というのもこの2つのシーンにも代表するように、前への攻撃の意識は大事だが、その意識の高さは、勝利しているかつ周りからの指示を無視してまで、リスクを冒す必要はないように思う。むしろこの役割はもう一列前の方が活きるのではないか。

1vs1など個人での守備は大きな問題がないだけに、中盤の一角として出場して攻撃を摘んでほしい。本人がCBを望むというのであれば、私なら別のクラブでそのチャンスをものにしてほしい。個人的にはこれ以上CBで起用されてダイアーの評判が落ちてほしくない。

次の試合

トッテナム・ホットスパーの次の対戦相手は、日本時間1月17日23時からキックオフのゲームで、シェフィールド・ユナイテッドとのアウェイでの一戦だ。主審はアンドレ・マリナー。現在最下位に沈むブレイズとの一戦が、どうなるのか注目したいところだ。

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