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トッテナム・ホットスパー vs クリスタル・パレス マッチレポート 21-22プレミアリーグ第19節

サッカー記事

21-22シーズンプレミアリーグ第19節、トッテナム・ホットスパーとクリスタル・パレスの一戦は、3-0でトッテナム・ホットスパーが勝利を飾り、コンテ体制になってこれでリーグ戦6試合無敗を継続した。

試合詳細

フォーメーション

スパーズベンチ

ゴッリーニ、ドハティ、ロドン、デイビス、ウィンクス、↑76ブライアン・ヒル、↑79エンドンベレ、↑64ベルフワイン

パレスベンチ

マテュー、グエヒ、ケリー、↑82ファーガソン、↑76シュラップ、リーデヴァルド、↑63マテタ

スコアラー

トッテナム・ホットスパー

32:ケイン(ルーカス)

34:ルーカス(エメルソン)

74:ソン・フンミン(ルーカス)

メンバー選考

まずは両チームのメンバー選考について見ていこう。

トッテナム・ホットスパー

スパーズはロメロが代表選のケガで離脱のまま、セセニョンはハムストリングの負傷を抱えて復帰は年明けになる見込み。スカーレットはCOVID-19に感染し欠場。

比較的メンバーが戻ってきたスパーズ。今後の過密日程を考えると延期にはしたくなかった試合もあったが、そのおかげで万全の体勢になりつつあるといえる。

そんな中、この試合ではリヴァプール戦からシステムやメンバーを変更。3-5-2気味から今までの戦い方だった3-4-3に戻して挑んだ。

リヴァプール戦で3-5-2でウィンクス、エンドンベレ、デレ・アリというメンバーを起用した理由は相手を見て4-3-3の中央が手薄になるからかと思っていたが、パレスも4-3-3で挑んできたため、そのような理由がメインではなさそうだ。

どちらかといえば、リヴァプール戦はホイヴィアやスキップが万全の状態ではなくスタートから起用できるコンディションではなかったため、中央で人数をかけて負けない試合を挑んでいたのではないかと感じた。

このパレス戦では、3-4-3に戻したのは、よりサイドにそして前に人数をかけやすくなるからだろう。WBがワイドに張り、WGが相手CBを釣り、ケインを活かしつつ、スパーズCBが攻撃参加することで、そのサイドでの攻撃に厚みを持たせる。

そうすることで、厄介なパレスWGとインサイドハーフを守備に回させて、カウンターの危険を積む。攻撃は最大の防御を目指しているように思う。

クリスタル・パレス

対するパレスは、マッカーサー、がハムストリングの負傷で年明けに復帰予定。ベンテケ、エゼ、ミリヴォイエビッチ、オリセ、クライン、グアイタといった主力級の選手6人がCOVID-19で離脱中とメンバー選考に非常に苦労した。

そのため、ベンチメンバーを9人入れれるところを7人しか入れていないなど、この状況に非常に苦しんでいる。

そして追い打ちをかけるかのように、監督のヴィエラもCOVID-19に感染と泣きっ面に蜂状態。

そのパレスは前回のスパーズ戦からベンテケ、マッカーサー、グエヒの3人をエドゥアール、ヒューズ、トムキンスに変更し挑んだ。前節からは変更なしだ。

メンバー選考云々よりも、まずはとにかく試合に挑むということを念頭に挑んだのではないか。システムは馴染みの4-3-3でサイドのザハを中心にカウンターを仕掛けて、前線のスピードや個人技で得点を狙う。とはいえヴィエラが現場にいない以上、修正しなければならないポイントですぐに修正できなくなるだろうから、そこが不安ではある。

試合内容

試合は前半は序盤、パレスがボールを保持してゴールに迫る。開始早々アイエウがフリーかつ中央でボールを受けボレー。いきなりピンチを招くなどスパーズにとって嫌な雰囲気から試合がスタート。

しかし徐々にスパーズがボールを握り始める。20分前後あたりからは、スパーズが試合を支配し始めたといっていいだろう。すると32分、34分と立て続けにスパーズが先制し追加点でパレスを突き放す。

パレスにとって悪い状況の中挑んだ試合で、失点するなどストレスのたまる試合になり、37分、ザハがこの日2枚目のイエローカードで退場処分を受ける。そこから10人で挑まなければならなくなったパレスは、完全にスパーズのペースに飲み込まれ前半が終了。

後半に入ってもスパーズペースのまま。64分にケインを下げてベルフワインを投入するなど、温存ムードも漂い始めた。そして74分にはソン・フンミンがゴールを決めてこれで3トップ全員がゴールをし、ここでソンはお役御免の温存交代。79分にはホイヴィアもお休みでき、スパーズにとって楽勝ムードのまま試合終了。

結果はスパーズの3-0で、パレスにとって非常に厳しい結果になってしまった。

試合のポイント

今日の試合のポイント、気になる部分はタンガンガにもデイビスと同じ役割?を与えたこと、スキップがボールを受けて前を向けるようになったことだ。もちろん他にも選手がスペースに入り込む意識を高く持ち、常に前線がボールを受ける姿勢を作れていたことなどもポイントではあったが、今回はこの2点について触れて以降。

そして前回の記事から書かせていただいている芝生ウォッチのコーナーも。今回は、スパイクに付いた芝生の状態から確認できるピッチコンディションについて見ていこう。

タンガンガにもデイビスと同じ役割?

この試合では、デイビスを温存?という形でベンチスタートにし、その左CBにはタンガンガが入った。タンガンガに関しては、モウリーニョ政権下で左サイドバックをこなすなど左でプレーもできていたため、この選考には大きな驚きはなかった。

タンガンガはこれで今シーズンになって右ウイングバック、4バック右CB、3バックの右CB、左CBと4つのポジションをこなしている。ポリバレントな活躍で非常に重宝し、戦術理解度もそれなりに高いのではないかと感じた。

話を戻して、デイビスの温存でタンガンガには驚きがなかったものの、そのタンガンガにもデイビスと同じ攻撃参加を求めたことには驚いた。タンガンガはどちらかといえば攻撃の得意な選手ではなく、守備の方が強い選手といったイメージだ。そのタンガンガにも攻撃参加を求めるということは、いかにコンテが前線に人数をかける上で、CBが重要な働きをしているということが分かるのではないだろうか。

タンガンガとデイビスの決定的な違いは、利き足が逆だという点だ。これによって、レギロンが幅を取り、タンガンガがインを走ることで、縦への突破からクロスという選択だけでなく、カットインからのシュートといった選択肢も出るように。前半にはシュートブロックこそされたものの、タンガンガがシュートを放つ場面もあった。

私はタンガンガとデイビスは、どちらも攻撃的な役割を与えていたが、若干前線での動き方に違いを与えていたように思う。デイビスはインナーラップをしたときに縦への突破を意識させて、ハーフスペースを取りに行かせていたのに対し、タンガンガは内側を見てクロスやシュートといった選択肢を設けることで、また違う視点で相手をかく乱させているように感じた。

このタンガンガの起用から見るの、まだまだ課題はたくさんあるように感じたものの、いいオプションを手にしたように思う。仮に冬の移籍市場で左利きのCBで、デイビスの控えもしくはそのポジションを争う選手が獲得できなくとも、タンガンガを起用するという方向性を見いだせたのは大きな意味を持つのではないだろうか。

スキップがいよいよ本領発揮か?

この試合で私は、今シーズン最も成長した選手がスキップなのではないかと感じた。

ビルドアップの場面になるが、CBやホイヴィアからパスを受けて前を向く、1枚相手選手がついてきた場面で前を向く、非常に狭い場面でボールを奪われそうになるが前を向く、そして前線のケイン、ソン、ルーカスにパスを出す。

今までは比較的守備に走りボールを刈り取ることがメインと思われてきたスキップだったが、このような攻守に活躍ができるのであれば、間違いなく今後もこのポジションでファーストチョイスになるだろう。

そうなってきた場合に、ベンチにいるデレ・アリやロチェルソ、エンドンベレといった選手たちは、ますます活躍の場を追い出されることになってしまうが・・・

芝生ウォッチ

ここからは本職のグラウンドキーパーをいかした芝生ウォッチのコーナー。

今回私が気になったのは、選手たちのサッカースパイクのポイントに、たくさんの泥がついていた場面だ。試合の所々で選手のスパイクの裏が確認できるシーンがあり、その都度しっかりと芝生が付いていることを確認できた。

イメージ(ナイキの発売するSGモデルで、スタッド部分に芝生や泥が付きにくいようにコーティングしてある広告)

この試合でも、選手が滑っていたシーンをたびたび確認できた。17分32秒当たりでルーカスが何もないところで滑っていたりと、やはり今シーズンのトッテナム・ホットスパースタジアムはなにかピッチにありそうだ。原因は何だろうか。そのヒントはスパイクにあるのではと考察。

そもそもスパイクに泥や芝生が付くときはどういうときか。1つは芝生表面が濡れている場合。散水や降雨などで濡れている場合、芝生の葉がスパイクの裏に付きやすく、それが塊になって固まってスパイクから取れなくなる。

2つ目はやはり降雨の影響などにより地面がしっかり水を含みぬかるんでいる場合。この場合は、芝生だけでなく地面の砂や土そのものもスパイクと一緒に付いてしまう。

どうやら調べてみると、ここ数日はイギリス特有の雨が短時間降るといった天気が続いていたようだった。この場合はやはり地面に水を含むためどうしても、芝生は緩くなってしまい、スパイクとともに地面をえぐり剥がれてしまう。

このスパイクに付いた芝生や泥がポイントの刺さりを悪くしてしまい、結局としてスリッピーなピッチなってしまった可能性もある。しかしながら、ナイキのスパイクを履いていた選手(ケインとサンチェスはナイキのスパイクを着用しているが、SGなのかは不明)も滑っているところがあったので、この付着した泥だけが問題というわけではないかもしれない(どうやらナイキのSGでも、少し泥はついてしまうようだ)。

ほかに考えられる点は、芝生の根の活着が甘いということではないか。トッテナム・ホットスパースタジアムで使われている芝生は、ペレニアルライグラスが100%だ。

このペレニアルライグラスというのは、日本では冬芝として使われることが多い芝生だ。この芝生の特徴は、縦に伸び株を作っていくことで強くなる性質を持つ。ちなみにヨーロッパの多くの国は夏芝冬芝という概念は無い。日本でいうところの冬芝オンリーのため、色鮮やかなのだ。芝生の色や模様についてはこちらの記事を確認していただきたい。

芝生の疑問を解決!日本のピッチと海外ピッチのって何が違う?芝生の模様ってどうやってできる?
日本とヨーロッパ(主にプレミアリーグ)のスタジアムや練習場の芝生管理についてまとめました。 これを見て芝生に理解を深めていただけると幸いです。

このペレニアルライグラスは、冬芝と呼ばれるのでこの寒い時期でも育つものの、その最低気温にも限界がある。基本的に10度以下になると成長するのが難しくなる。ロンドンの気温を見てみると、ここ数日は10度以下で最低気温もマイナス4℃といった寒い日もあった。

地面の下に這わせてあるヒーティング技術で地温を温めても、暖かい日に比べると限界がある。グローライトは芝生の成長に必要な光を与えるだけで、気温の上昇までは難しい。

また、ペレニアルライグラスは縦に伸びて刈込されることで株になって強くなるのだが、言い換えるとその部分の芝生がなくなってしまうと横から伸びてくることはないということだ。日本の暖地型の芝生でおなじみのティフトン419という品種は、暖かい時であればダメージを横から伸びて芝生が覆うため、その部分の芝生がなくなっても自然と回復することができる。

しかしながらペレニアルライグラス、冬芝の場合は、その部分がダメージを受けて芝生がなくなった場合、復活してくることはない。そこに芝生を戻すには、他の部分から芝生を持ってくる(張替え)、種を撒く、ダメージ箇所の横から芝生をフォークで寄せる(試合前にグラウンドにいるスタッフたちは、フォークを持って芝生を寄せてダメージ箇所の不陸を修正している)

そして極めつけはこの冬の寒い時期の過密日程。

このロンドンの気温、芝生の性質、過密日程から考えられることは、芝生が依然受けたダメージ箇所の根がしっかり活着しておらず、その影響で芝生がスパイクに持っていかれて滑りやすくなっているのではないだろうか。根がハイブリッドターフなどの人工芝繊維にしっかり活着していれば、剥がれにくくなっているはずだ。

とはいえ去年もそれなりの過密日程だったが、ここまでスリップが大きく目立つことはなかった。やはり以前お話したように、ハイブリッドターフによる芝生表面の排水改善等ができていないピッチコンディションが少しずつ影響を及ぼしている可能性もありそうだ。

次の対戦相手

トッテナム・ホットスパーの次の対戦相手は、日本時間12月29日0時からサウサンプトンとアウェイでの対戦だ。

今後も芝生ウォッチを続けていきたいと思います。何か気になることがございましたら、DMをいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

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