ウエストハム・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー マッチレポート

サッカー記事

プレミアリーグ第25節、ウエストハム・ユナイテッドホームで行われたトッテナム・ホットスパーの一戦は、1-2でウエストハム・ユナイテッドの勝利に終わった。

試合詳細

まずはいつも通り、両チームのフォーメーションやスコアラー、そしてメンバー選考についてみていこう。

フォーメーション

ウエストハムベンチ

マーティン、ランドロフ、バルブエナ、アイブセン、ジョンソン↑81、ランシーニ、ノーブル↑90、ベンラーマ↑65、オドゥベコ

スパーズベンチ

ハート、ドハティ↑46、アルデルヴァイレルト、デイビス、ウィンクス、シソコ、デレ・アリ↑77、ベイル↑46、ヴィニシウス

スコアラー

ウエストハム・ユナイテッド

5:アントニオ

47:リンガード(フォルナルス)

トッテナム・ホットスパー

64:ルーカス(ベイル)CK

メンバー選考

両チームのメンバー選考の狙いを、見ていこう。

ウエストハム・ユナイテッド

ウエストハムは、アントニオがここ数試合出場し続けていたことから、直近の2試合をお休みに。そしてこのロンドンダービーに向けて照準を合わせてきた。

試合を観た感じでは、前半戦にスパーズと戦った時よりもカウンター志向が強くなっているように感じた。その大きな要因として、トップ下にリンガードが加入したことだろう。

彼のフリーでボールを受ける技術、いわゆるオフザボールの動きの質は、どの選手よりも高く、スパーズの守備陣もかなり苦戦した。特にモイーズ監督の狙いなのかは不明だが、今シーズンリーグ戦で常に出続けている中盤の2人エンドンベレとホイヴィアが前へ出たスペースに入ってきて受ける動きは、チームとして共通して意識している狙い通りだったように思う。

そのリンガードをフリーにさせようとするために、トップにこの試合ではアントニオを選択したのだろう。彼のフィジカルの強さを警戒するのであれば、CBも常にチェックする必要があり、ダイアーを釣りだしリンガードが裏を取るという狙いもあったのではないか。

そして中盤にはディオップ194cm、ドーソン188cm、ソーチェク192cm、ライス185cmを配置することで、サイドからのクロスボールを警戒。スピード不足で裏を狙われる心配があったものの、開始早々の先制点で前がかりに行く必要がなくなり、ウエストハム守備陣にかなり余裕が生まれた。

引いて守ってカウンターを仕掛け、先制して守り通すメンバー選考にみえ、結果的にではあるが、ウエストハムは先制できたことが狙い通りの試合運びをしやすくなったといえる。

トッテナム・ホットスパー

スパーズは、前節よりデイビスとレギロンを入れ替えてスタート。ここ数試合デイビスの連戦による疲労からなのか、終始サイドを崩されてしまう場面が目立ったため、入れ替えたのだろう。

他の選手たちは、前節と変更なし。気になるのは、ホイヴィアとエンドンベレがリーグ戦で常に出続けているため、疲労がかなり蓄積していること。この試合でも、ホイヴィアは決して良かったとは言えない。

ソン・フンミンに関しても同じことがいえ、得点を決め続けていることであまり批判の声は聞こえないものの、この試合では終始いいところはなかった。

気になったのは交代策。ここに関しては下記のポイントで述べていく。

いずれにしても、今回の試合のメンバー選考から見て、信頼している選手とそうでない選手がよく分かったように思う。何故起用されないのか不明な選手も何名かいるが。。。

試合詳細

試合はスパーズがボールを握り、ウエストハムがロングボールや前線からのプレスを行ってカウンターを狙うといった展開だった。スタッツから見ても、スパーズ70%の支配率にシュート数20本という数字を見ても、攻め込んでいたのは事実。対して、ウエストハムはシュート数4本のみで2得点。スパーズがやりたいサッカーをウエストハムが遂行したゲームだった。

開始早々5分にスパーズは失点。レギロンが倒されたことでセルフジャッジから一瞬気が緩んだ瞬間を見逃さなかったボーウェンはクロスを入れ、アントニオが合わせた。一度はロリスが弾いたものの、それをもう一度アントニオが詰めてウエストハムが先制。あとでこの失点の場面を詳しく見ていこう。

その後は、スパーズがボールを持つものの苦戦。11分にはウエストハムが前線から、特にリンガードが中心となって、ハイプレスを仕掛けてスパーズCBやボランチを慌てさせるなど効果的なディフェンスでピンチを未然に無くしていた。

私が気になったのは、44分のダイアー。スローインですら裏を取られてしまったのはいささか問題があるだろうが、いずれにしてもウエストハムは、スパーズが苦手とする形をしっかりプランとして遂行しているように思えた。

後半からはベイルとドハティが入った。この交代策は後で詳しく話したいと思うが、右サイドからの攻撃はこれでかなり活性化した。

しかし後半開始2分にリンガードがフォルナルスのパスから裏を取って得点を決めた。サンチェスの戻りが少々遅かったことや、ダイアーがボールウォッチャーになってしまうなど、スパーズ守備陣の悪い部分や連携ミスが相まって失点。

その後もスパーズがボールを握る展開が続き、攻撃の中心は右サイドのベイルから。惜しいボレーシュートや素晴らしいパスワークから幾度となくゴールに迫ったものの、最終的には64分のベイルのコーナーキックからルーカスが合わせて得点したのみ。

最終的には1-2でスパーズの敗戦。リーグ戦では前節シティ戦の敗戦から2連敗となった。またモイーズ監督に対してモウリーニョ監督は初めて敗戦した不名誉な記録となった。

試合のポイント

この試合のポイントを3つに絞って見ていこう。疲労の蓄積、守備時の連携ミス、選手選考と交代策の3つだ。

疲労の蓄積

まず、試合自体の考察ではなく、日程における選手の疲労の蓄積が、この試合に大きく影響を与えたのはまず間違いないだろう。

この試合の序盤から見て取れたのは、明らかにホイヴィア、ソン・フンミンの動きが重く感じた点だ。

上記でも述べたように、ソン・フンミンはこの試合で大きな見せ場らしい見せ場は無し。ホイヴィアもいつも以上にキレがなく、縦パスよりも消極的なプレーを選択する機会が多かった。

ハリー・ケインも、後半ベイルの惜しいボレーシュートがあった少し前の場面でビッグチャンスを演出したシーンがあったが、あそこももう1つ速いテンポでクロスボールをエリア内に入れていれば得点できていただろう。ケインもまた、疲労の蓄積による余裕のなさが出てしまったのではないか。

もともとモウリーニョ監督自身も、少数精鋭を好む監督で、基本的に今までのチームでは選手を固定することが多かった。

また、このコロナウイルスの状況下で開幕が少し遅れただけでなく、ELはプレーオフから、そしてこれまですべてのコンペティションで勝ち進んできたこと。

これらの過密日程と試合数の多さとモウリーニョ監督の志向がミスマッチした結果が今のスパーズの現状を表しているのではなかろうか。

守備時の連携ミス

何度もこのブログ内で話してきていると思うが、守備時の連携ミスが今も続いている。

最初の失点シーンを見ていこう。まずレギロンが対応したものの、倒されファールなのではないかとセルフジャッジをしてしまった。この一瞬の間が命取りだった。

これによって、クロスを上げるボーウェンはフリーに。ソンの寄せも甘く、他に誰も寄せることなく最高のクロスボールを入れることができた。問題はその次だ。

一見するとダイアーの頭上を越してしまいアントニオにわたってしまったように見え、ダイアーのミスのように思われるが、どちらかというとここは、ルーカスがマークを剥がされてしまったことが失点を招いてしまったと思う。

また、サンチェスがソーチェクに釣りだされてしまったスペースを、誰が埋める必要があったのか。エンドンベレはリンガードをチェックしつつクロスを警戒していたので、ここはサンチェスが戻るもしくはダイアーが少し前に出て、タンガンガが少し前へ出てポジションを少しずらす必要があった。

もともとフォルナルスのマークに付いていたと思われるルーカスがはがされ、フォルナルスはインに入っていく。これをダイアーがみる必要が出たため前へ出てフォルナルスのチェックへ。するとその後ろのタンガンガはアントニオに付く必要が出てくるが、連携がうまくいっていないのかアントニオの前へ出ることができず後手を踏んだ。そして失点。

この一連の流れから分かると思うが守備時の連携が大きな課題である。ルーカスが得点を取ったことで少し帳消しになりそうだが、この失点に大きく絡んでいるのを見逃すべきではない。

またこの試合は、ルーカスがトップ下ではなく、ラメラがトップ下の位置に入っていたように思われる。ルーカスはそうなると右サイドに入ることになるが、となると彼の問題の守備をしなければならず、フォルナルスもしくはオーバーラップしてくるクレスウェルに対応する必要がある。この時点でウエストハムは、ルーカスの守備の弱さを狙っていたのではないか。

もし、ラメラがルーカスの役割を担っていたのであれば、また結果は変わっていたのかもしれない。

サンチェスもセルフジャッジで油断してしまい、自分が明けたスペースへの戻りが遅かった。当然ウエストハムはこのスペースを狙う。サンチェスが起用されにくくなっていたのは、こういった場面が散見されるからではないか。

いずれにしても、CBという要のポジションが定まっていないのは、こういった局面での連携に大きく影響してくる。誰を軸にするのかというところで、モウリーニョ監督の中ではダイアーが軸にメンバーを組み立てているのだろうが、そろそろサポーターは限界だ。

選手選考と交代策

この試合の選手選考は、前節までと同じメンバーであったが、引いて守る必要のない試合でタンガンガを右サイドバックに起用したのは残念だった。やはり彼の本職はCBであり、攻撃参加における能力はあまり高くない。その中で、引いて守ってカウンターを狙ってくるウエストハム相手にこのメンバー選考は疑問だった。

後半から入ったドハティとベイルを見ればそれは一目瞭然だろう。ラメラを交代させたのは、カードを1枚もらっていたからだと私は思う。ラメラは熱くなりやすい選手で、負けている以上、数的不利の状況で後半を戦っていきたくないという堅実な選手交代だ。ラメラとベイルの入れ替えは納得できる。

しかしタンガンガに代えてドハティは少々納得がいかない。タンガンガは攻撃参加こそ微妙だったが、守備時における大きなミスは特になかったように思う。もし交代するのであれば、タンガンガをCBに変更して、ダイアーかサンチェスを入れ替えるべきだった。ミスが大きくないのに入れ替えるのは、選手のモチベーションにも大きくかかわってくるだろう。この交代は納得いかない。

問題は最後の1枚だ。レギロンに代えてデレ・アリ。せっかく右サイドからの攻撃が上手くできていたにもかかわらず、ドハティをCBの一角に置いたのは、自ら起点をつぶしたといえる。

とはいえ、復帰した初戦のレギロンがフル出場は酷な話ではある。そのため、攻撃参加という面では微妙だが消去法でデイビスをレギロンと入れ替えるのが現状ベストな交代策だったのではないか。

攻撃の枚数を増やしたいのであれば、エンドンベレを入れ替えても良かったかもしれない。

いずれにしても、今回の交代策は少々納得いくものではなかった。

とはいえ、ベイルの復調とドハティとの連携というある種未来への希望になりえる光が見えたのは事実だ。レギロンも復帰し左サイドからの攻撃も活性化した今、スパーズの躍進がここから始まると信じていこう。

次の試合

トッテナム・ホットスパーの次の対戦相手は、日本時間2/25の早朝2時からヴォルフスベルガー。プレミアリーグは2/28の23時かバーンリー戦だ。

ELでは先勝しているため、ある程度メンバーを落としつつ、リーグ戦では勝ちを重ねていきたいところ。週末の試合が楽しみである。

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