みなさんは、サッカー観戦中にこんな経験はありませんか?
「いい位置でのフリーキック獲得。けど、どれくらいの距離かなー?」
今回は、そんな疑問を芝生を見ることで解決できる、ということをお伝えします!
このブログの作者Ikumiはアーセナルで
ブログの作者Ikumiより
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今までも芝生に関しての記事をたくさん書いてきましたので、
気になる方々はぜひ過去の記事を遡ってみてください。
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おさらい:エリアの大きさ
まず、簡単なおさらいとして、ゴールに最も近い位置でのフリーキックは、ペナルティエリアギリギリの位置ですね!
では、ペナルティエリアの大きさがどれくらいなのかは、皆さんご存知でしょうか?
16.5mですね。
ですので、エリアギリギリの位置のフリーキックでは、この距離になります。
では、ペナルティアーク(ペナルティエリアにある半円)の頂点付近でフリーキックの場合はどうでしょうか?
これは少し計算が必要ですが、まずペナルティマーク(PKの時にボールを置く場所)が11mの距離にあります。
そして、ペナルティアークの頂点の場合ですと、ペナルティマーク(PKの時にボールを置く場所)から9.15mが円の半径ですので、9.15m+11m=20.15mとなります。
ですので、ペナルティアーク頂点付近でしたら、だいたい20~22mくらいだと考えていいでしょう。
芝生から見るフリーキックの距離
では、芝生から見るフリーキックの距離というのは、どういったものか。
それは、芝生の模様、パターンから大体の距離を算出できます!
近年では、芝生の模様が同じパターンに統一されており、以前まで見られていた各々の特徴のある模様というのはなくなりました。
悲しむ声がある一方で、サッカー観戦の際にはこれが手助けにもなるということです。
ちなみに以前、芝生の模様に関しての記事を作成していますので、そちらもぜひご覧になってください!
先ほども画像でお伝えしたように、エリア内では、ゴールエリア→ペナルティマーク→ペナルティエリアはそれぞれ5.5mずつの間隔になっています。そして、芝生の模様というのも、この5.5mで統一されています。
ではエリア外ではどうなのか。これは会場によって若干違うため、正確な数値を割り出すことはできませんが、どこの会場もおおむね6m前後です。
ですので、芝生のワンパネルの幅=約6mと覚えていただけると、おおよその距離が算出できるというわけです。
今回は例として、私の尊敬する本田圭佑さんのフリーキックのシチュエーションから見ていきましょう。
この2018年ロシアワールドカップ日本vsベルギーの後半終了間際のフリーキックの場合の距離は。。。
ペナルティエリアが16.5m。そしてエリアからボールまでが約3パネル分の模様がありますね!
ですので、6×3=18m。16.5+18=34.5m。
さらに、4つ目のパネルの1/3ほど侵入しているので、プラス2mとすると、だいたい35~37m付近となりますね!
余談ですが、この距離でゴールを狙うフリーキックは、今考えてもすごいの一言です。
と、まあこんな感じで芝生の模様からだいたいのフリーキックの距離であったり、ボールや選手の位置が把握できます!
芝生の模様と数学も使えばさらに分かる??
さて、次はこのフリーキックの距離を求めていきましょう!
このフリーキックも、私の尊敬する本田圭佑さんの2010年南アフリカワールドカップ、日本vsデンマーク戦のシチュエーションですね!
改めてみると、この距離で決めるのはすごいですね。
さて、ペナルティエリアは16.5mで固定なので、まずは再び芝生の模様から距離を出します。
今回は芝生2.5パネル分ですので、6×2.5=15m。これにエリア分を足すと31.5mとなります。
しかしこれだと、あくまでも中央付近におけるゴールからの直線距離になってしまいますので、横軸が必要ですね。
今回の場合、目安になるのがペナルティエリアの角です!
では、このペナルティエリアの角は、ゴールからどれくらいの距離でしょうか?
正解は、ゴールポストからだと16.5mです。
実はゴールポストを背にすると、ゴールエリアの角、ペナルティエリアの角は直線で結ぶことが出来るようになっています!
ですので、皆さんが練習や試合でゴールを使う際に、ゴールを置く場所に困った場合は、これを目安に置きましょう!
話を戻して、今回はあくまでも簡単にざっくりとした距離を求めたいので、ゴールポストからボールの距離としましょう!
もしゴール中央からの距離が欲しい場合は、ゴールの幅が7.32mですので、その半分の3.66mを16.5mに足せば20.16mと求められます(ちなみにゴールポストは12cm)。
どちらにせよ、これで横と縦が分かりましたね!
さあ、問題はゴールポストから斜めにどう計算するのか。数学が好きな方は何となく理解できた方もいるかもしれませんが、三平方の定理(ピタゴラスの定理)を使えばわかります!
おさらいで、ピタゴラスの定理は、直角三角形において2辺の長さが分かれば、残りの1辺の長さを計算することができるという数式ですね。そして計算式は、a²+b²=c²です。
今回の場合はこんな感じになりますね。
a=16.5m、b=31.5mです。これをさっきの数式に当てはめて計算していくと、、、
272.25+992.25=c²
c=√1264.5
c=約35.6mといった感じになり、ゴールポストからボールまでの距離が求められます!
まあこんな感じで、数学の知識も使えばより正確な距離も出せますが、別に試合中にわざわざ正確な距離を測る必要もないので、芝生の模様を見てざっくり35mくらいか!程度でOKです笑
学生の方の中には、数学を勉強する意味を考える人もいるかもしれませんが、意外なところで役に立ちますので、覚えておいて損はないと思いますよ!といった例をお見せしたかったので、今回は実例を出してみました!
まとめ
今回は芝生の模様かを使って、ゴールからボールまでの距離を測る方法をお伝えしました!
近年では、芝生の模様が統一され、少々寂しくもなりましたが、そのおかげでサッカー観戦の際に役立つようにもなりました。
数学の知識を使ってまで、正確な距離を求める必要は、観戦時には必要ありませんが、意外と身近なところにも数学の知識が使えるんだなーというのが、学生の方々にも伝わり、これを機に様々なことを勉強するいいきっかけになると嬉しいです。
そして、芝生の模様で距離が分かったら、ぜひ今後、いろいろな試合で応用してみてくださいね!
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