芝生張替えのメリットデメリット

サッカー記事

昨今、聖火リレーによってスタジアムの芝生が変色してグラウンドキーパーを泣かせたあの事件。市長は修復に500万円ほどかかるとおっしゃられた。

一言で簡単に芝生の張替えというものを口にするが、いったいどのような作業を行うのか。そして芝生の張替えによるメリットデメリットについて、今回は皆さんにお届けしていきたい。

芝生の張替えとは

そもそも芝生の張替えと聞いて、イメージできる人はどれだけいるのか。簡単に説明すると、今ある芝生を撤去して、別の場所で育てられた芝生を撤去したそこの場所に移し替える作業のことだ。

ではその芝生はどこから持ってくるのか。スタジアムや練習場だけでなく、張替え専用の芝生を育成している場所も存在する。その場所のことをナセリ(ナーセリー)などと呼んだりする。もちろんそのナセリにもグラウンドキーパーがおり、グラウンドの芝生と同じもしくはそれ以上の状態に仕上げて芝生を育てている。こちらのナセリを管理する方々は、まず皆さんのお目にかかる日はないだろう。グラウンドキーパーを支える裏方、真の裏方といえるのではないだろうか。

作業方法

芝生の張替えにはいくつか方法が存在する。まず皆さんが試合を観て、パッと見でゴール前だけ芝生の色が異なることがある試合が今まで観戦してきた試合の中であったのではないだろうか。

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これはソッドカッターと呼ばれる上の写真のような機械を使って、ナセリから芝生を切りだして持ってくる。そして傷んだ個所もソッドカッターで剥ぎ取り、そこに持ってきた新しい芝生を張る。これが少ないスペースを張り替える時の方法だ。大体幅は50cmで長さが2mくらいを丸めてロール状にして運搬する。人でも運べる重さだ。

こちらのメリットは、人力で運べるため短い時間で行えること。デメリットとしては、大きさが小さいので、スタジアム全面といった大規模な張替え作業には向いていないことだ。

では、スタジアム全面張替えといった場合はどのように行うのか。芝生をまずは全面剝ぎとるところからスタートするのは同じだが、その規模は異なる。大きなトラクターでダンプ者を並走させながら粉々に粉砕しながら芝生を剥ぎ取っていくのだ。

この機会のベルトコンベアに剥ぎとった芝生が出てくる。この横を並走するような形でダンプが走って回収していく。

芝張りの作業に関しては、代表的なものにビッグロール工法というものがある。こちらに写真があったので、ぜひ参考にしてほしい。

ビッグロール
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こちらはほとんどの作業を機械で行う。ロール状にしたものをキャタピラの機械で巻き取って芝生を張っていく。そして高さ調整や芝生と芝生の間の隙間を埋めていき芝張りを行っていく。

メリットとしては、スタジアム全面張替えといった大規模な張替えができること。そしてほとんどの作業を機械で行うため、非力な人でも作業が可能というところだ。デメリットは大規模な張替え以外には向かないこと以外は特にないだろう。ただ、多くの機械を要するため、コストがかかることが言えるかもしれない。

張り替えの意義

ここからは、芝生の張替えのメリットとデメリットについて書いていく。

メリット

芝生の張替えを行うことによる最大のメリットは、大ダメージを負った芝生を手っ取り早く使える状態にできることだ。例えば、シーズンオフでスポーツによる利用がない時に、コンサートを行いスタジアムとしての収益をあげつつ、芝生をぼろぼろにして新しい芝生に張り替えるといったことだ。これにより、収益とプレイングクオリティの両方を保つことができる。また、見栄えも良くなる。

プレイヤーとしては、芝生がないよりも芝生があった方がクッション性も上がるため、負担は軽減される。しかしプレイヤーによっては、好き嫌いがあるかもしれない。これはデメリットで書いていく。

デメリット

芝生の張替えによるデメリットは、運営面ではコストがかさんでしまうことだ。今回の京都スタジアムの一件のように、500万円以上といわれているが、私の見立てではもう少しかかってもいいと思う。スタジアムを運営していく以上、芝生のクオリティの問題はかなり重要だ。必要以上に芝生の張替えを行いたくないのも事実。グラウンドキーパーとしては、あくまでも最終手段と位置付けている人が多いと思う。

そして、日光の当たる芝生ならまだしも、スタジアムのような日光の当たりにくい芝生だと根っこが活着するまで時間がかかってしまい、すぐに芝生がダメージを負ってしまいやすい点だ。根っこがしっかりしていないと、芝生は簡単にめくれてしまう。その点で張り替えた場合にしっかり養生期間(休場日)を設けなければ、張り替えたとしてもすぐにダメージが増えてしまい結局ボロボロになってしまう。休場日が増えるということは、収益が上がらないということで、スタジアムとしても大きな損失になる。とはいえ活着しないままの利用ではプレイヤーに迷惑がかかることはもちろんだが、ダメージがかさむため再びボロボロになって張替えを申請せざる得ない状態になってしまうのだ。

そして、上記のメリット面でクッション性が上がるため負担が軽減されると話したが、言い換えると活着しにくいためフワフワした状態の芝生でプレーすることになる。GKにとってはクッション性が上がるため、セービングの時の負荷は少ないが、フィールドプレイヤーは走りにくいと感じる人もいるかもしれない。ちなみに私はあまり好きな環境ではなかった。こういったデメリットもある。

まとめ

確かに見栄えも良くなりクオリティを戻すことができるが、一方でコストがかかることや活着まで時間がかかってしまうことがある。上記でも述べたが、あくまでも最終手段といった位置づけでよいのではないだろうか。もちろん、それ以外によりよい品種を使ってみるという張替えもあるため、一概には言えないが、、

今回の一件は、リレー直後にサッカーというスポーツを行ってしまったことによって非難を浴びてしまっている。私は決してスタジアム内でのコンサートといったイベントを反対しているわけではない。大事なのは、利用後のアフターケアをどうするのかだ。それを頭に入れながら、スタジアムの収益を上げる方向へ進めていってほしいものだ。

今後、試合を観る時には、ゴール前の芝生など色が違うところがある場合がある。そういった試合を観たら私にぜひ知らせていただきたい。そしてそういった芝生から見るフットボールというものも皆さんがぜひ見てみてほしい。

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